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日本での仕事と転職についてー第2回 わたしの転職ー

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左から韓国出身のヨンジュさん、パキスタンとペルーにルーツを持つマリアンさん、タイ出身のヌンさん。

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第2回 わたしの転職

「日本での仕事と転職について」の座談会を3回シリーズでお届けします。
今回は現在東京で働く3人に、転職について、きっかけや転職先の選び方、転職後の話を聞きます。

 

3人はいずれも転職を経験しています。
転職を考えたきっかけは何でしょうか。

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国連で働きたいという夢を持ったこともあるという、マリアンさん。
ヌンさん

大学で学んだ日本語を活かして、日系の工場などに勤めてきました。今の企業に転職する前は、タイで日系の旅行会社に勤めていました。転職のきっかけは、コロナ禍で旅行業界の状況が一変したことです。事務所の半分がリストラされるという話が出てきました。
私には日本人の妻がいて、娘もいます。今後の生活や娘の将来について妻と話し合い、日本で新しい仕事を探そうと思ったことがきっかけです。

ヨンジュさん

最初の会社で2年ほど勤めて慣れてきたころ、中間管理職になりました。そこからもう少しキャリアアップしたいと考えたことがきっかけです。最初の会社は、ITの中でも技術支援が主な業務内容でした。さらに専門技術を伸ばしたいと考え、インフラ系のネットワークエンジニアの道を選び、転職しました。

マリアンさん

私は2回転職しています。最初の転職では、ITコンサルタントから、アパレル販売員になりました。ITの会社はほとんどリモートで、人と直接関わる機会がほとんどありませんでした。私は言語に興味があると思ってきましたが、仕事を始めてから、人に関わることが好きだったんだと気がつきました。そのため2社目は対面の販売業を選びました。

どのような軸で転職先を選びましたか。

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外国語習得のスキルを活かし、ITの言語を学んだ、ヨンジュさん。
マリアンさん

その後販売員から再度転職し、現在は3社目です。販売員は、自分の売上が会社や社会に貢献しているという、大きなやりがいを感じられる仕事でした。ただ、忙しすぎたんです。もっと自分の余白を広げて、色々なことに取り組む時間が必要だと感じました。そんな経緯もあって転職を考え、現在は多文化共生に関わる会社に勤めています。

ヌンさん

自分は現在、セキュリティ関係のメーカーに勤めています。タイへの輸出入や品質保証に関わる事務作業を担当しています。
自分は工場での勤務経験があり、製造業でのキャリアを活かせると感じたことも決め手の一つでした。また自分のスキルを広げたいという思いもあり、日本でのこの仕事はぴったりだったと感じます。

ヨンジュさん

ヌンさんは、製造業からキャリアを広げていったんですね。私はどちらかというとキャリアをさらに絞る感覚で転職先を選びました。最初はIT全般に関わるエンジニアでしたが、2社目ではネットワークエンジニアとして働いています。転職先も、ネットワーク関連でさまざまな経験を積めることを重視して、規模の大きい外資系IT企業を選びました。

日本で転職活動を始めて、驚いたことがあれば教えてください。

ヌンさん

エージェントを通じて転職活動をしましたが、まず履歴書と職務経歴書が必要なことに驚きました。タイの転職では求められたことがありませんでした。ただ自分のキャリアを細かく書き込むことで、これまでを振り返ることができ、作ってよかったと思いました。

マリアンさん

私は最初の就職活動は英語でしたが、2社目からは日本語で転職活動をしました。ヌンさんが言うように、書類など細かいところでの違いは感じました。

ヌンさん

まず、英語とは書類のフォーマットが違いますよね。

マリアンさん

そうなんです。英語の履歴書では、自分をもっと強くアピールします。でも日本語では書くべきことは書くけど、そこまで言いすぎちゃいけない、みたいなニュアンスの違いがあります。
面接でも、色々なマナーや定型文があるので話し言葉を書き出して練習しました。外資系企業では、企業と候補者がお互いに選び合っている感覚がありましたが、日本は選ぶ側と選ばれる側のような上下関係があるなという印象です。

ヌンさん

自分もエージェントから色々教わって勉強しました。タイでは、面接も冗談から入るんですよね。日本は厳しいなと思いました。

ヨンジュさん

自分は1社目も2社目も同じITの外資系だったので、就職活動と転職活動の形式に大きな違いは感じませんでした。ただ、就職活動のときは「あれもできる、これもやりたい」という若々しいアピールが中心だったように思います。転職のときは、仕事の中の自己理解を踏まえて、会社との相性のような話もできるようになりました。お互い対話型で、相性のすり合わせをするようなイメージでした。

母国(他国)と日本で、転職文化の違いは感じますか。

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未経験の職種に転職し、来日後はずっと同じ企業で働く、ヌンさん。
ヨンジュさん

日本は、若手を長い目で見て、丁寧に根気よく仕事を教えてくれる印象がありますね。最初の就職先でも現在の職場でも、新入社員をどう育てるか考え、工夫しています。私は韓国で就職したことはありませんが、友人たちから聞いた話だと、自分で壁にぶつかりながら学んでいく、自己責任の文化が強い印象を受けます。韓国だと「自分はどう動けばいいか」という観点が身につく一方で、日本では一歩ずつ成長していける。一長一短だと感じます。

ヌンさん

タイでは、転職するときに前職と関係ない仕事に就くことはかなり大変です。日本は、タイに比べて新しい業界に挑戦しやすい環境だと感じます。私も違う業界から採用してもらえて、とても感謝しています。

マリアンさん

日系の企業は、ポテンシャルを見る傾向が強いですよね。ヨンジュさんが言ったような、育てる文化があるから、経験がなくても採用することができるのかもしれません。
最初就職した外資系企業は、いきなり現場に放り出された感覚でした。しかし次の日系企業では逐一上司への確認を求められました。企業風土の違いは感じますね。

ヌンさん

「はっきり言わない」という特徴もありますよね。「何が悪かったのか自分で考えて」と言われる。相手の意図を汲み取れないと、空気が読めないと思われてしまいます。タイははっきり意見を言われて、お互い話しながら物事が進んでいくので、その違いに戸惑うこともあります。

転職をしてみての感想を教えてください。

多文化クロストーク
特に日本の企業文化については、大いに話が盛り上がりました。
ヌンさん

職場の人がみんなあたたかく、やさしいのが何よりよかったです。文化の違いはありますが、難しいことをすぐに相談できる環境にあります。いい仕事をするには、いい環境が何より大事だと思います。精神的に楽な状態が続けば、仕事も上達します。

マリアンさん

3社経験して、自分と社会の関わり方を模索できたと感じます。多言語ができることは強みと思われがちですが、それが当然とされる環境に行ったり、逆に日本語だけで仕事する環境に行くことで、自分自身のスキルを見つめ直すことができました。自分が育った背景や、学んだことが (なん) だったかを理解できました。

ヨンジュさん

私もマリアンさんと同じです。外国人であるという特徴から、どうしても言語能力が目立ってしまいがちです。「外国人社員」としてではなく、一人の人間として評価されるには、どんなスキルが必要なのか、よく考えます。今の職場は自分の仕事を評価してくれる環境なのでありがたいです。

 

第2回は、転職について話を伺いました。日本独自の転職文化に、みなさん最初は驚かれたようでした。
第3回では、日本のビジネス文化についてお話しいただきます。

 

── 次号へ続く