多文化共生コーディネーター研修
最新報告書
第8期(2024年度) 多文化共生コーディネーター研修 報告書
東京都内には多くの外国人住民が暮らしています。今後さらに増えることが予想される中、国籍や民族の異なる人々が地域社会の構成員として、共に生きていく多文化共生社会を実現することが重要になっています。
公益財団法人東京都つながり創生財団では、2016年2月に策定された東京都の「東京都多文化共生推進指針」に基づき、地域における外国人の多様なニーズにきめ細かく対応し、多文化共生社会の実現に資する専門人材である「多文化共生コーディネーター」育成のための研修を2017年度から実施しています。
本研修における「多文化共生コーディネーター」とは、外国人住民に関わる基本的な法制度と教育・医療・防災等、多文化共生の諸課題に関する知識を有し、そうした課題の解決に向けて、関係部署・団体間の連携や協働を進め、企画立案し、取り組む人を指します。
日時 | 2024年6月10日(月)、6月17日(月)、6月27日(木)、7月4日(木) 9:00~17:00 |
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会場 | 外国人在留支援センターFRESC大会議室(新宿区四谷1-6-1四谷タワー14階) |
対象 | 都内区市町村及び国際交流協会、社会福祉協議会の職員、多文化共生に関わる都内市民団体関係者等 |
内容 |
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受講者 | 35名(区市町村、国、国際交流協会、社会福祉協議会、市民団体、その他) |
主催 | 公益財団法人東京都つながり創生財団 |
共催 | 東京都 |

全体監修
明治大学教授山脇啓造氏
多文化共生の先進自治体と言えば、静岡県浜松市や群馬県大泉町あるいは新宿区のような基礎自治体を思い浮かべる人が多いかもしれません。確かに1990年代以降、外国人住民への対応を始め、2000年代以降、多文化共生の指針や計画を策定してきた自治体の多くは基礎自治体であったと言えるでしょう。一方、2018年12月に「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」が策定され、出入国在留管理庁の交付金を活用した自治体の一元的相談窓口が全国に整備されるようになると、そうした相談窓口を設置する余力のない基礎自治体を支援する都道府県の役割が大きくなっています。また、そうした基礎自治体の日本語教育や人材育成の支援も重要になっています。東京都の「多文化共生コーディネーター」研修は、現在、自治体が実施する全国唯一のプログラムで、毎年改善を重ね、他の道府県が参考にするモデル的な事業に育っています。他の道府県も同様な人材育成に取り組むことを期待したいと思います。





本研修ファシリテーターからのメッセージ
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一般財団法人自治体国際化協会認定 多文化共生マネージャー 長倉美紀氏
この研修は、生活者としての外国人を取り巻く現状を体系的に学ぶインプットの場であり、3 か年計画の策定及び発表等、アウトプットの場をセットで用意しています。毎年テーマや研修の進め方を細かく見直し、できる限りタイムリーな学びとなるよう心掛け、フィールドワークでは実際に現場を訪れる機会を作っています。また、横のつながりを大切にしており、毎回参加者同士のコミュニケーションの場を設定しています。日頃話す機会のない様々な地域・立場の仲間と語り合うことができ、業務や活動に対する考え方の幅が広がります。私は特に、初めて多文化共生施策を担当する自治体職員の方々におすすめしたいです。ぜひ受講いただき、一緒に東京の多文化共生を創っていきましょう!
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公益社団法人日本図書館協会 多文化サービス委員会 副委員長 阿部 治子 氏
この研修では、さまざまな分野で活躍されている講師陣による講義やフィールドワーク、ディスカッションを通して、参加者同士が学びあい、励ましあい、つながることをめざしています。多文化共生社会の実現のためには、人と人がつながるきっかけを創るコーディネーターの力が何よりも大切ではないかと感じております。私は今期初めてファシリテーターとして参加させていただきましたが、みなさまから多くの学びをいただき、つながりを持てましたことに心より感謝しております。本当にどうもありがとうございました。
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公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 村松 清玄 氏
知識とつながりを育み、実践に繋げられる場、それがこの研修です。今年度も様々な立場の参加者が集い、想いや気づきがあふれる 4 日間になりました。また、第一線で活躍する実践者である講師陣を目の前に、生の声でその経験を聞けることも、この研修の大きな魅力です。研修前とはどこか違う気がする自分の中で、その余韻はなかなか消えません。
共に学んだ皆さんと、次は多文化共生の現場でお会いできることを楽しみにしています。そしてこれからも、この研修を通して仲間が増え続け、多文化共生の輪が広がっていくことを願ってやみません。 -
公益財団法人目黒区国際交流協会 北爪 淑乃 氏
この研修は、「多文化共生」という共通意識のもとで多様な取り組みや関わり方をされている方が立場に関わらず集う貴重な場だと思います。
4 日間を通して学ぶ多岐に渡るテーマでは、知識を深めるだけでなく現状や課題を知り、自身の立場と活動の中でどのように活かせるかを改めて振り返ることができます。私自身、参加者の熱意から多くの学びを得ると共に、原点に戻り新たな気付きもありました。
この場での出会いがコーディネーターのネットワーク作りに繋がり、より良い取組みの実現に向けて新たな連携を生むことを今後も期待します。
受講者からのメッセージ
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八王子市役所 市民活動推進部 多文化共生推進課 小林 慶治 氏
行政の職員として参加しましたが、立場の違う参加者(行政、NPO、社協等)の皆さんと繋がり、現状を共有し合う中で、所属する自治体の強みや改善できる点を明確にする貴重な経験ができました。もちろん、多文化共生分野の最前線で活躍される講師陣からの質の高い講義も他の研修には無い魅力です。事務局やファシリテーターの皆さんのフォローも素晴らしく、配属 1 年目の私でも安心して受講できました。
講座紹介
