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コンビニで働く人たちー第2回 コンビニの仕事内容ー
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第2回 コンビニの仕事内容
ネパール、中国、ベトナムという外国にルーツを持ち、それぞれのきっかけや目的で東京のコンビニで働いていた3人。第2回では、コンビニのどんな仕事に難しさや楽しさを感じたか、具体的に話を聞きます。
コンビニでの仕事内容を教えてください。
主にレジ打ちが多いですが、コーヒーマシンに豆を補充したり、ごみを出したり、色々な仕事があります。レジを打ちながら、合間に揚げ物もしなければいけないので、他のスタッフと協力しながらやります。オーナーから頼まれ、いくつ揚げ物を作っておくか、自分で数を決めることもありました。
コンビニの仕事内容は、主に3つに分けられます。1つは今ムスカンさんが言ったような、カウンターの中での仕込みやレジ。2つ目は売り場の商品補充。そして3つ目がバックオフィスでの発注管理等の仕事です。
アルバイトが担当するのは、主に1つ目と2つ目です。特に仕込みについては、普段現場で接客をしている人のほうが、感覚で売れる数がわかる場合が多いんですよね。だからムスカンさんのように、アルバイトの人に数量を決めてもらうこともあります。
私の店舗は、24時間営業ではなかったんです。だから私は早朝出勤すると、まず1時間はお客さんが来る前に品出しをしていました。開店後は接客対応が殆どですが、忙しい時間にお客さんの質問に答えられないと焦りましたね。言われたタバコの銘柄がわからないとか…。
タバコ、難しいですよね!昔の商品名を言ってくるお客さんもいて、私も最初苦労しました。
陳列棚にある番号で指示してくれるお客さんもいますが、ほとんど商品名で言われますね。「右!」「左!」とかやりとりをしながら、なんとか正解のタバコを探していました。
一緒に働く人との交流はありましたか?
年が離れている同僚が多かったのと、シフトの時間も短かったので、仕事以外の会話は少なかったですね。接客の合間に仕事を教えてもらう感じでした。
ルールが厳しい店で、雑談は控えるように指導されていましたが、休憩中は店長とよく話していました。親切な人で、賃貸の物件も紹介してくれたんですよ。緊急連絡先として電話番号も書いてくれて、ありがたかったです。自分がずっと電子辞書を持ち歩いて、わからないことはすぐ調べるので、「やる気がある」と思ってくれたのかもしれません。
実は、働き始めた当初は同じベトナム出身の同僚との関係が良くなかったんです。私だけ年上だったからか、会話の輪に入れず、いじめられていると感じることもありました。辛かったです。こういうことは人と人の問題で、国籍は関係ないですね。でも時間がたつとお互いのことがわかってきて、最後は普通に話せるようになりました。
働いて驚いたこと、母国と違うと思ったことがあれば教えてください。
ルールが厳しいなと思いました。レジにいても食品を扱うので髪を綺麗にまとめないといけないですし、肉まんなどを販売した後は、必ず手を洗うように言われました。私の勤めた店舗は特に厳しかったようです。
昔、一時的にネパールに暮らしていたときにスーパーに行きましたが、接客スタイルが全然違いました。「これ、どこにある?」と店員に聞いて、「あっちだよ」と返ってくる。もっとゆるい感じでした。日本はお客様第一ですよね。
それは自分も最初思いました。中国ももっと接客はフレンドリーな雰囲気です。日本は丁寧だけど硬いですよね。どちらかが正しいというわけではないですが、お互い楽なほうがいいのでは、と思うこともあります。
ベトナムもネパールや中国のようにフレンドリーな接客をする店が多いですが、ベトナムに出店している日系のコンビニチェーンの店舗では日本の文化を引き継いで、他店よりも笑顔で丁寧に接客していて、評判がいいみたいです。
日本の文化といえば、コンビニで働いたことで日本の季節の習慣が見えるようになったのはよかったなと思います。「この時期からみんなクリスマスのケーキを予約するんだ」とか、「それが終わったらおせちなんだ」とか。働かないとわからないことでした。
コンビニで、難しいと思ったことはなんですか?
新人の頃はとにかく覚えることが多すぎました。レジが終わったら、すぐに売り場に行かないといけないですし。常に何かに追われている感じで、慣れないうちは大変でした。
私も、プレッシャーがかかると焦りますね。コーヒーマシンでミルクが切れて、そんなときにレジには列ができていて…となると、いつもできることができなくなる感じです。
わかります。混んでいるときに宅配便の発送とかが入ると焦りますよね。
あと声出しもしてくださいと言われますが、日本語初級者にはなかなかハードルが高いです。声出しは、店員が「本日この商品が30%オフです!いかがでしょうかー!」と叫ぶ販促のことです。
私も日本語に自信がなかったので、声出しが苦手でした。先輩に続いて「いかがでしょうかー!」だけ言っていました。
日本語でいうと、商品の名前も難しいですよね。お客さんが「○○ありますか?」と聞いてきても、聞き取れない。文字を読めたとしても、自分の思う発音と実際の発音が違うとわからないです。しかもやっと覚えたと思ったところで、次々新しい商品が入ってきます。
似た理由で、自分も最初の頃は品出しが苦手でした。センスが問われるんですよね。お肉系と野菜系を別々にしなければいけないのに、最初のころは日本の料理や食材がわからないから困りました。おにぎりは中の具材も見えないので、写真を見て想像するしかなかったです。
時々「豚成分の入っていない商品」などを聞かれると、間違えたらどうしようと思って、怖かったですね。そういうときは、確実に野菜だけの商品を紹介していました。
仕事で楽しかった経験、コンビニの好きなところを教えてください。
毎日利用してくれるお客さんとは友達みたいになりますよね。シフトを休んだら「大丈夫ですか?」と聞いてくれたり。うれしかったです。
コミュニケーションができると楽しいですよね。セルフレジができなかった高齢の常連さんが「今日はできたよ!」と話しかけてくれたりします。
常連さんとのお話は楽しいですよね。あと店長から初めて「今日はジョさんがいるから安心ですね」と言われたときも嬉しかったですね。
コンビニの好きなところは、色々なサービスがあるところですね。住民票も発行できるし、プリンターや銀行ATMもある。すごく便利な場所だと思います。
私は品揃えが豊富なところが好きです。出勤しているときは、商品を見るだけで楽しい気持ちになります。
ただ食品のフードロスは気になりますね。おにぎりとか、揚げ物も、時間が来たら自分の手で廃棄しなければいけないので。まだ食べられるのにな、と思うことは多いです。
フードロスの問題は自分も気になりますね。
ただ毎週新規の商品を出すという、この企業努力はすごいと思います。長年働いていますが、今でも毎週新商品が来るのが楽しいし、わくわくします。
今までの業務の悩みについては共通点が多く、話が止まらない第2回でした。
第3回は「コンビニで得た経験」について話を聞きます。
── 次号へ続く