多文化クロストーク
観光・旅行業に関わる人たちー第2回 旅行地としての東京の魅力ー
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第2回 旅行地としての東京の魅力
インフルエンサー、鉄道会社、旅行会社・ブロガーとして、それぞれの立場で日本の観光・旅行業に携わる3人。
今回は、世界各地を旅行する3人それぞれの視点から、旅行地・東京の魅力について聞きます。
あなたの母国からの観光客は、どんな旅行が好きですか?
台湾は、繰り返し日本を訪れる観光客がたくさんいます。ネット上にもたくさん情報があるので、他の人が行ったことがない場所で、新しい体験をしたいと考える人が多いですね。ただショッピングをして和食を楽しむだけでなく、地元の人との交流体験を求める声をよく聴きます。地方の旅館で一泊するような日本の旅番組は、台湾でもすごく人気なんですよ。
イタリア人は、イタリアにないものを求めて日本にやってきます。寺社、日本庭園そしてポップカルチャーなどが人気ですね。またイタリアには車が好きな人が多いので、古いヴィンテージの車を借りて運転する体験なども人気がありますよ。
日本の車に興味を持つ人、意外に多いですよね。私も「改造車がたくさん集まる駐車場に行きたい」とリクエストを受けて、全然知らない場所でしたが、案内したことがあります。
興味を持つものは人によって違いますが、やはり春の桜、秋の紅葉を期待する声は大きいですね。
桜は本当に人気ですよね。
日本=桜というイメージは根強いなと感じます。
食べ物だと、ラーメンも人気ですね。ただムスリムの人は豚骨などがNGなので、鶏ベースのハラルラーメンが最近すごく人気です。あとは豪華な懐石弁当とか。
懐石料理は最近私もリクエストを受けることが多いですね。それと対照的に、コンビニのおにぎりも人気です。
コンビニのおにぎり、私は職場で毎日食べてるから「なんでこんなのが人気なの?」って感じです(笑)。
私の台湾の友達は、日本に旅行に来ると「コンビニを巡る」という行程が必ず入ります(笑)。コンビニのチェーンごとに、チキン、スイーツなどおいしいものが違うので、食べ比べて研究したいのだそうです。
あと台湾人はフルーツが大好きなんです。メロンや桃、苺など、台湾では高価なフルーツを食べるのを楽しみにして来る人も多いですね。
イタリアの人は、逆に日本ではフルーツを買わないです。イタリアはフルーツがキロ単位で安く売っているので、日本はすごく高く感じます。国によって違いますね。
訪日観光客が持つ東京のイメージと、在住者としてあなたが持つイメージに、ギャップはありますか?
映画とアニメのイメージなのか、東京をハイテクノロジーの都市と思って来る観光客が多いです。でも住んでいる立場からは、「そんなこともないんだけどな…」と思います(笑)。オンラインでできない役所の手続きも多いですし、マイナンバーカードなどの発行申請も複雑で時間がかかりますし。
東京は海外から見ると、ネオンライトだらけの繁華街のイメージが強いですよね。でも東京って実はすごく広いので、静かな住宅地や、美しい自然が残る場所もあります。自分は以前多摩川周辺に住んでいましたが、夜は星がたくさん見えました。
海外からのイメージと実際が一致していることは、綺麗で、安全で、電車の遅延が少ないことですね。
ただ観光に関する話でいうと、最近「ツーリストトラップ」、つまり観光客向けの罠のような体験が増えたなと感じます。元からある文化体験に外国語通訳・翻訳がつくことはとてもありがたいです。その一方で、観光客向けにエンターテイメント的にパフォーマンスを企画する事業者も増えました。日本の本当の文化を知りたいと願う観光客が、本物の文化体験にたどりついてほしいなと強く感じます。
Q. 東京は日本国内の旅行地として、どんな位置づけですか?
直行便が多いので、東京を拠点に長期間滞在して、色々な場所に行く人が多いように感じます。
そうですね。ファ―ストストップで東京に来て、3~4日観光してから新幹線で移動する人は多いですよね。観光しやすい場所だと思います。
京都は混みすぎていて楽しめない、と言う人もいますが、東京は観光地が多いので分散できますよね。
訪日観光客から見た、東京の印象を教えてください。
在住者としてのおすすめの場所を聞かれて、聖蹟桜ヶ丘などを案内したことがあります。東京都内でも自然や落ち着いた環境があることに、みんな驚いていました。柴又のような下町も意外性があるようで、人気ですね。
東京という街全体の大きさに驚く人が多いです。欧米系の観光客は歩くのが好きな人が多いので、「渋谷から原宿まで歩いて行きたい」などの希望が平気で出たりします。だからそのたび「無理です!」と説明します。東京は、場合によっては同じ新宿内であっても、タクシーで移動したほうがいいこともありますよね。その距離感覚が理解されにくいみたいです。
よく出る話題は3つで、1つ目は階段が多いこと。東京は意外に駅の歩道や階段が長く、疲れるみたいです。2つ目はゴミ箱がないこと。ゴミが出たら持ち歩くのは日本のルールですが、なかなか浸透していません。海外では路上にゴミ箱がある街が多いので、普通に街を歩いていても「ゴミ箱はどこ?」とよく聞かれます。3つ目は、タクシー代が高いことです。他のアジア諸国と同じ感覚で都心から羽田空港まで乗ってしまって、大変な金額になったという人がいました。
それも国による違いを感じますね。イタリアは日本よりタクシー代が高いです。だからみんな歩くことが習慣になっているんだと思います。
他の海外の都市と比べた、旅行地としての東京の魅力や特徴を教えてください。
京都は人気ですが、基本は歴史と伝統の街だと感じます。東京では歴史と伝統のほか、現代的な要素も楽しむことができます。ヨーロッパの街は主に古さを大事にしているので、古さと新しさが両方ある東京の街並みは新鮮に見えます。
私は、どんな予算でも楽しめることが東京の魅力だと思います。富裕層が楽しめる高級な店もあるし、500円で食べられる弁当も売っています。ニューヨークだと、サンドウィッチ1つでもすごく高いですよね。日本は入館無料の施設も公園もありますし、過ごし方の選択肢が多い印象です。
交通の便がよく、遅延もほとんどないことは、他の都市に比べても大きな特徴だと思います。そして多様な飲食店があること、博物館や美術館などの施設が多いことも魅力的ですね。世界中の文化が集まっている街だと思います。
異なる国出身の3人、それぞれの観点から東京についての話が盛り上がった第2回でした。
第3回は「日本の観光のこれから」をテーマに話を聞きます。
撮影協力:東武博物館
第2回のヘッダー写真は、レトロな撮影スポットとして人気の、大正時代の鉄道車両で撮影。