多文化クロストーク
「病気と病院」について ー第2回 病気についてー ~ウズベキスタン、ネパール、イタリア出身者が語る~

第2回 病気について
病気と病院について、3回シリーズでお届けしています。2回目のテーマは、病気についてです。風邪をひいたときや薬のことなど、話していただきました。
風邪をひいたらどうしますか

風邪だけだったら、あまり病院へは行かないです。温かい飲み物とかを飲んで、1~2日たっても症状が落ち着いていなかったら風邪薬を飲みます。それでも治らなかったら、クリニックへ行きます。すぐには行きません。
イタリアも同じです。風邪だとあまりクリニックには行かないです。
ウズベキスタンでは薬を買って飲みます。わたしの国と比べると、日本の薬は(効きが)弱いと思います。自分用の薬を国から持ってくることもあります。
わたしも日本の薬はあまり効果がないという気がします。風邪薬や胃薬、解熱剤などは、ネパールのものを家に置いています。なくなったら誰かに頼んで手に入るようにしています。
僕はできるだけ薬に頼りたくないから、あまり薬を飲みません。でもたまに風邪薬を飲みますが、いつも薬を飲まないからすぐに効くのかもしれません。イタリアでもほとんど薬を飲んでいなかったので、イタリアから薬を持ってきてもらうこともしません。
ネパールなら薬局でたいていの薬を買うことができます。日本では薬局で自由に買えない薬があることに、本当にびっくりしました。先生の処方箋がないと、薬をもらえません。処方箋の有効期限があることも知らなくて驚きました。ネパールと日本の病院との大きな違いだと思います。
ウズベキスタンもドラッグストアで薬は普通に買えます。お医者さんの処方箋の薬も買えるし、処方箋がなくても同じ薬を買うことができます。日本と比べると、ウズベキスタンではあまり病院に行っていません。風邪でも自分で薬を買って治していました。
でも、自分で買った薬が間違いだったらという不安もありますから、日本のシステムの方が安心かもとも思います。
かかりつけ医を知っていますか

僕はかかりつけ医のことを知らないです。
言葉としては知らなかったですが、今は知っています。
わたしにはかかりつけ医がいます。かかりつけ医は、家族のお医者さんのようなものです。風邪をひいたり、痛いところがあれば、かかりつけ医にいきます。自分の病歴を知っているので安心です。
あー、かかりつけ医はイタリアにもあります。
ネパールにもあります。かかりつけ医がいると安心だと思います。
わたしのかかりつけ医は、ウズベキスタンにもいるんですけど、ウズベキスタンではあまりかかりつけ医に行っていません。直接大きい病院に行って検査をしてもらいます。日本では最初にかかりつけ医に行って、何かあれば大きい病院を紹介してもらいます。ちょっと面倒くさいと思います。
わたしにもかかりつけ医(内科)がいます。歯科や皮膚科も先生が決まっています。
内科のかかりつけ医はいないけど、歯医者さんのかかりつけ医はいます。知り合いに紹介してもらって、それからずっとその先生です。年に2回ぐらいですが、歯のクリーニングに行きます。親切でコミュニケーションがとれるので同じ先生です。
かかりつけ医は家から近いということが大事です。元気じゃないときに、遠い所へ行くのは大変なので、近い病院で検査するのは便利だと思います。
そうですね。具合が悪いときに電車やバスに乗って遠い所までは行きたくないです。近所のかかりつけ医の先生には以前からかかっているので、たくさん話さなくても安心して診てもらえます。
歯が痛いときはどうしますか

歯が痛くてしょうがないときは、病院に行きますか、薬を買いますか。
歯が痛いときは、病院へ行きます。
歯が痛いときは、病院へ行きます。
歯が痛くなったらわたしも病院へ行きますが、そうした経験がありません。今まで日本で歯医者さんにかかったことがありません。
わたしも歯医者さんはできるだけ国で診察を受けます。日本の歯医者さんはあまり行きません。
わたしも2年に1回ネパールに帰るので、そのときに歯の掃除とかチェックを全部してもらいます。2時間~2時間半くらいかかりますが1度で終わります。日本は時間(回数)がかかります。
わたしは歯医者さんに行っていないんですけど、お父さんはインプラントもあるので定期的に通っています。お父さんは忙しくて国にも帰れないので。何回も通っているのを見ていて、わたしは行きたくないと思いました。
わたしの主人も一緒です。インプラントをしているので、しょっちゅう歯医者さんに行くので、時間の無駄だと思うときがあります。
僕はそういうことはないです。最初に歯のクリーニングで行ったときに、歯医者さんに「下だけやります」と言われたけど、両方ともしてくださいとお願いをしたら、1度にしてくれました。イタリアよりも安いです。何の問題もないですね。
健康診断や花粉症について

いつもと違う症状があったときに、何科に行けばいいかわかりますか。
難しいです。インターネットで調べます。
ネパールなら総合内科で、どんな症状も見てくれます。日本では近所の友達に聞くとか、インターネットで検索していろいろ探します。症状に合わせて、何科に行ったらいいのかはわかりません。
かかりつけ医に行って痛いところの説明をすると、先生が紹介してくれます。
わたしもかかりつけのお医者さんに電話をして相談することがあります。症状を言うと、簡単に説明をしてくれます。2分でアドバイスをもらえるところは他にないです。かかりつけ医の先生との関係は、本当に大切にしています。
日本では定期的に健康診断をしていますが、みなさんの国ではどうですか。
イタリアではほとんどしません。みんな自己管理です。痛いところがあれば病院へ行くとかですね。
日本では健康診断をしています。ネパールにもありますけど、職場や学校で必ずするというのはありません。自費になるのでやりたい人だけします。健康診断をしている人は2割程度です。高いですから。病気のある人や治療中の人はしますが、健康な人はあまりしません。
ウズベキスタンはネパールと似ています。健康診断をしたい人はします。お母さんは毎年健康診断をしていましたが、やらない人のほうが多いです。
わたしは日本で公立学校に通っていたときは健康診断をしていましたが、ロシア大使館の学校(※)に通っていたときはありませんでした。
※ウズベキスタンは、旧ソ連の国なので
みなさんは日本で花粉症になりましたか。
花粉症になっていないです。
花粉症になっていないです。
花粉症になっていないです。
イタリアにも花粉症はあります。
ネパールはありません。
ウズベキスタンにも花粉症はあります。国に帰るときにはアレルギーが出るので、いつも薬を飲んでいるんですけど、日本に戻ると大丈夫です。国に帰ったほうが、アレルギーが出ます。
花粉症って知らなかったんです、ネパールにはないので。人に聞いたら、日本人は花粉症になっている人が多いので、ネパール国籍の知り合いが花粉症になったといったときに「あなたも日本人になったね」と言いました。わたしも長く日本に住んだら花粉症になるかもしれませんが、今のところは大丈夫です。
2回目のテーマである「病気について」は、日本といろいろ違うことを知ることができました。3回目のテーマは「病気の予防」です。それぞれの国ではどんな予防をしているのでしょう。1月号をお楽しみに!
── 次号へ続く