団体取材

クローズアップ7月号の取材に行ってきました!

毎月「もっと知りたい日本語」「クローズアップ」「多文化クロストーク」の3本立てでお届けしているニュースレター

今回は、「クローズアップ」7月号の取材の様子をお伝えします!

7月号では、NPO法人東京ソテリアのみなさんにお話を伺う為、新宿区のソテリアファーム(ソーシャルファーム)を訪問しました

法人事務局 塚本さんへのインタビューをはじめ、キッチンやマフィンスタンドで製造・販売されていている様子も取材させていただきました。

 

ソーシャルファームとは

就労に困難を抱える方が必要なサポートを受け、他の従業員と共に働いている社会企業のことです。イタリアの社会的協同組合の働き方をヒントに、東京ソテリアでは、「ソテリアファーム」として、マフィンスタンドを経営。特に就労困難な状況にある在日外国人を中心に雇用を生み出しています。精神疾患のある (かた) や、治療中で日本の福祉制度の利用が難しい (かた) 、日本での就職や就労に困難のある (かた) などをメインターゲットとしていて、一般求人にも障害者求人にもつながることが難しい (かた) を雇用しているのが特徴です。スタッフのルーツの国は、フィリピン、韓国、中国、ブラジル、パキスタン、ペルー、ミャンマーなど様々。日本国籍の (かた) も働いています。

 

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人通りの多い、JR四ツ谷駅前交差点のマフィンスタンドソテリア(開店前の写真)
マフィンとコーヒーがとても美味しかったです。
 

いろんな人が対等に働ける場所

インタビューの冒頭、塚本さんが何度も、「全員でやっている事業」「代表者以外はみんな同じ立場」「みんなのこととして書いてほしい」ということを強調されていたことが印象的でした。日本の障害福祉事業所では、利用者・支援者(仕事を教える)という立場に分かれていることが多かったり、医療や福祉制度に従って運営している人が多い印象があったため、事務局の塚本さんがこのようにお話されていることに驚きました。

みなさんは、海外で生活したことがありますか? 慣れない土地での生活において、環境の変化で気持ちが下がったり不安が募ったり、ストレスを抱えながら経済的に自立することが求められて、多文化間を移動する誰もが、メンタルヘルス上の問題が出てくる可能性があると言われています。そのような時に、外国人であるが故に頼れる人が周りにいなかったり、医療や福祉制度上のサポートの受け方が分からなかったりする人がたくさんいます。また、働く意欲や意思があっても、一般求人の応募条件では働くことが難しかったり、だからといって医師からの診断が無く障害者求人に応募できないこともあると言います。同じように、日本で生活する外国人も、受けられるサポートの申請方法が複雑で申請をあきらめたり、仕事が見つからず経済的に生活が苦しくなるケースがあったりすることが課題です。

ソテリアファームでは、働くことを通じて、自信や自尊心を持てるような工夫がされていました。
求人を出す⇒採用する⇒利用者と支援者になる。という流れではなく、採用後は「どうすれば全員が気持ちよく働けるか」「自分の役割・相手の役割は何か」を、現場スタッフも運営スタッフも常に考えているそうです。仕事や自分の役割があると、働く場所が自分の居場所となり、自分の役割を果たすことでやりがいや生きがいを感じてくる人はたくさんいると考えられます。そして、気持ちも前向きになり、メンタルヘルス上の問題も克服されていくのではないかと感じました。

詳しい取り組みやインタビューの内容については、ニュースレター本編で紹介しています!ご覧ください。

ニュースレターリンク:https://tabunka.tokyo-tsunagari.or.jp/topics/close/close_2507.html

マフィンスタンドソテリア MUFFIN STAND SOTERIA

 

by somtum