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大自然を感じる三宅島巡り
富士火山帯に含まれる「三宅島」は、荒涼とした海岸風景や独特な自然環境で知られている島です。東京都心からは定期的にフェリーが運航されており、ダイビングや釣りなどのマリンレジャーだけでなく、トレッキングやサイクリングなども楽しめることで人気があります。今回はそんな魅力的な三宅島の、見て、楽しめるスポットをいくつかご紹介します。
三宅島について
東京都心から南へ約180km、太平洋上にある三宅島は伊豆諸島の一つで、黒潮の影響による温暖な気候と豊富な降水量が特徴です。島は活火山であり、至るところで火山活動の形跡を見ることができます。その素晴らしい自然の景観に魅了され、人々はトレッキングやサイクリング、ドルフィンウォッチングなどのアウトドアを楽しみにこの島にやって来ます。
三宅島へのアクセス方法
東京から三宅島への基本的なアクセスは「船」と「飛行機」の2種類。「東海汽船」は大型客船を東京・竹芝客船ターミナル(JR浜松町駅から徒歩8分)から毎晩運航しており、翌朝5時頃に三宅島に到着します。船室は、2等から特等までの5段階があります。飛行機の場合は、新中央航空が調布飛行場(京王電鉄調布駅からバスで15分)から小型旅客機が1日3便(季節による)を運行しており、約50分で三宅島に到着します。
三宅島観光協会で電動アシスト付自転車をレンタルしよう
徒歩やバイク、車など、島を巡る手段はいくつかありますが、一周38kmとJR山手線の内側と同じくらいの大きさである三宅島では、サイクリングが最適です。阿古漁港船客待合所(ここぽーと)内にある「三宅島観光協会」では、電動アシスト付自転車を半日(1,500円)または終日(2,500円)から借りることができます。
回り道をしなければ、自転車に乗って約2時間30分で島を一周することができます。険しい道もありますが、電動アシスト付自転車の補助があれば坂道も易々と上ることができます。
新鼻新山
新鼻新山は、1983年に起きた三宅島の噴火による岩石や火山灰で、一晩で形成された山です。海側の山肌は削られており、溶岩の赤と黒と、海の青とが鮮明なコントラストを作り出しています。ちなみに、「新しい鼻、新しい山」を意味する新鼻新山という名称は、その形が横たわっている人の鼻に似ていることに由来しています!
大路池
こちらの淡水湖は、約2500年前に起きた噴火の火口にできたものです。湖を囲む火口壁は原生林に覆われ、野鳥の楽園になっています。富士箱根伊豆国立公園の一部として野鳥が生息するこの場所で、静けさと美しさ、鳥のさえずりをお楽しみください。
大路池に向かう途中では、樹齢600年以上といわれる大きな椎木「迷子椎」を通り過ぎます。高さ20メートル以上を誇るこの巨木は三宅村指定天然記念物に指定されており、池周辺の深い森の中で迷わないための目印として、島の人々から長年大切にされてきました。
富賀浜
島有数の美しい海岸・富賀浜は、ダイビングやフィッシュウォッチング、バードウォッチングで人気のスポットです。海岸からすぐの透き通った海の中では、日本で最北のテーブルサンゴの群集や、水中に形成された大きなアーチやトンネルなどの複雑な地形を見ることができます。岸に上がると、度重なる噴火で形成された地層を間近に見ることができます。
メガネ岩
1643年の噴火により形成されたこの岩は、繰り返される波に侵食され、メガネのように見える二つの穴ができました。しかし、1959年の台風によって右側の穴が崩れ落ち、今では印象的なアーチが一つ残るだけとなっています。
三本岳(大野原群島)
三宅島から西南西に約8km先の海を眺めてみてください。海から突き出た3つの岩の峰が見えます。大野原群島と言われるこの岩場は、通称「三本岳」とも呼ばれています。付近を流れる黒潮には魚が豊富で、全国的に人気の釣り場になっています。
サバサンドカフェ
三宅島の「民宿スナッパー」が作るサバサンドは、東海汽船のフェリーが錆ヶ浜港から出港する日限定で、阿古漁港船客待合所(ここぽーと)2階にある「サバサンドカフェ」で購入することができます。サイクリングでお腹が減ったら、休憩がてら、三宅島の名物「サバサンド」に挑戦してみては。お手頃価格のサンドイッチ「サバサンド」は、お酒と醤油で漬けたサバの切り身を焼いて、レタスと赤ピーマン、玉ねぎとともに柔らかいロールパンに挟んだもの。
ふるさとの湯
サイクリングで島を巡る長い一日を過ごした後は、温泉「ふるさとの湯」で疲れを取りましょう。ふるさとの湯は内風呂と露天風呂があり、天気の良い日には、太平洋に沈む美しい夕日を眺めることができます。
爽やかな海の風と素晴らしい夕日を堪能すれば、この島を離れがたくなるでしょう。東京都心から遠く離れていながらもアクセスしやすいこの島は、人々がリラックスして、景色の変化を楽しむのに最適な場所と言えるでしょう。
参考リンク
この記事は、ノーアム・カッツが執筆しました。
*この記事は、2020年09月29日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。