出かける
東京湾で新鮮な魚を釣ろう!
釣りは日本でも人気が高い趣味の一つで、お目当ての魚を求め、家族連れが全国各地の釣り場にやってきます。しかし、良い釣り場を探すのに遠出する必要はありません。東京は世界有数の大都市でありながら、釣りを楽しむのにもってこいの海岸も有しています。東京湾の航行には制限がありますが、沖釣りに連れて行ってくれる釣り船も多数運行されています。
そんな釣り船の一つが羽田にある伝寿丸です。大田区で約30年間、沖釣りのツアーを開催してきました。
青空の下、船着場に立ち潮風の香りに包まれると、ここから車でわずか15分ほどの場所に人や建物が密集する大都会の中心があるとは信じられなくなります。
船着場で伝寿丸の船長・榎本健司さんと笑顔でご対面。桟橋と船を案内してくれました。
水平線の端には、おなじみの東京のビル群と羽田空港。世界で最も釣りに似つかわしくない場所から、釣り三昧の1日に繰り出すような気分になるかもしれません。
私たちが到着するとすぐに、ご自身の船を誇らしげに案内してくれたのが、伝寿丸の船長・榎本健司さんです。ご両親も漁師であった榎本さんは、幼いころから海と釣りに強い関心があったそうで、日本で趣味としての釣りやスポーツフィッシングが盛んになっていった90年代初めに、沖釣りのツアーを始めたそうです。
平日に予約があれば榎本さんが自ら船を出しますし、週末のお客さんが多い日は、スタッフの助けを借りて所有する3艘全てを出船します。
一日8時間のプランの費用は一人9,500円で、午前7時半出船。半日プランは一人6,000円で、午前7時半または昼12時半のいずれかに出船。週末限定で午後5時半出船のプランもあります。全てのプランで女性と子供は半額です。
沖釣り以外にも、貸し切りのディナーパーティーや観光クルーズも行っています。
榎本さんが船内を案内してくれました。ツアーの定員は最低3名から最大20名までだそうです。
榎本さんは、お客さんを連れてほぼ毎日東京湾に出ています。羽田の波止場から沖まで、だいたい30〜40分ほど船を運転するそうです。
船は高層マンション群や工場、オフィスビルなどが並ぶ運河や川を通り抜けていきます。初めて乗船する人は、海が近いなんてとても信じられないでしょう。
榎本さんは、レーダーやレーザー機器など、魚を検出するために日々使っている様々な装置を説明してくれました。
「ツアーでは誰でも沖釣りを楽しむことができますよ。初心者にはやり方を教えますしね。」と語る榎本さん。船内には東京湾で獲れる魚介類、アジ、カサゴ、タコなどを釣るための道具が一通り揃えられています。榎本さんがこれまでに東京湾で釣った一番大きな魚は、約1メートルもあったのだとか。
アジ専用の釣り具
ツアーのもう一つの魅力は、何も持たずに参加できること。やる気と冒険心さえあれば大丈夫!道具は来てから借りることができます。豊富に揃えられた釣り竿や釣り具は、500円からレンタル可能。初心者でも経験豊富な釣り人でも、釣り道具をよく知る榎本さんがアドバイスしてくれます。もちろん、お気に入りの釣り具を持参することもできますよ。
獲れたての東京湾のアジ。
釣った魚を持ち帰るために保冷バッグを持参する人も多いそうですが、釣ったばかりの魚をすぐにでも食べたいという方には、持ち込んだ魚を料理してくれる食事処が近くにあります。海の上で過ごした一日のご褒美として、自分で釣った魚を頂くことほど嬉しいことはないでしょう!
榎本さんに「毎日、海に出る原動力は何ですか」と尋ねると、「沖釣りのツアーを通してより多くの人に、『東京は大都市で有名だが、美しい景色や美味しい魚が楽しめる海もとても近い』ということを知ってもらいたいと望む気持ちです」と答えてくれました。
伝寿丸に乗って、東京の雑踏を離れ静かな海へ繰り出してみましょう。釣りを楽しむと同時に、都会人が求める心の休息を得ることができるでしょう。
伝寿丸
運行 火曜日以外毎日運行(天候による)
住所 東京都大田区羽田6-34-1
地図 http://www.denjyumaru.mobi/page/Detail/map/
アクセス 京浜急行空港線穴守稲荷駅または東京モノレール天空橋駅から徒歩15分
電話予約 070-3856-5132
Email: denjyumaru@mail-gyosan.jp
この記事はレイチェル・リンが執筆しました。
*この記事は、2019年08月13日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。