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東京大茶会で茶道を体験しよう!

毎年秋に開催される「東京大茶会」は、日本の伝統文化である茶道を誰もが楽しめるイベントだ。会場は江戸東京たてもの園(小金井市)と浜離宮恩賜庭園(中央区)。それぞれ二日間、合計四日間にわたり開催される。後半の浜離宮恩賜庭園は、汐留駅から徒歩数分の好立地。都心の真ん中にありながら緑あふれる庭園で開催されたイベントに足を運んでみた。

日本の伝統文化のひとつである「茶道」。なじみのない人は少し気後れするかもしれないが、東京大茶会は奥深い茶道の世界への入り口となるようなイベントだ。一日を通し園内の至るところで行われる多彩なプログラムでは、流派の違う茶会を体験することができる。初めての茶会にワクワクしながら、まずは英語の解説付きのプログラムに参加するため、庭園内にある富士見山へ向かった。

雲ひとつない青空のもと、「Welcome!英語で楽しむ野点」というプログラムに参加した。「野点」とは野外で開かれる茶会のこと。このプログラムではお点前が披露され、通訳が英語で解説してくれる。参加者はお茶をいただく前に、あんこで作られた色鮮やかな和菓子を味わった。こうすることで、次に頂くお茶の渋みが一層引き立つのだそうだ。

茶道具が念入りに清められ準備が整うと、亭主は茶碗に入れた抹茶に湯を注ぎ、竹の茶筅でかき回す。こうして点てられた抹茶は、温かなもてなしと共に客人(ゲスト)に運ばれた。いただいたお茶の味は実にまろやか。正式な茶会は三時間を超えることもあるそうだが、この二十分の野点も十分に本格的なものだった。

私にとって大きな発見だったのは、茶道においては立ち居振る舞いがとても重要であるということだ。茶道の各手順は、亭主と客人との間の、お互いを思いやる気持ちが保たれるよう入念に考えられている。例えば、亭主は客人への心遣いから、茶碗が最も美しく見える正面を客人に向けて茶碗を差し出す。しかし、茶碗の正面からお茶を飲むことはその美しさと亭主の心遣いを損ねることになる。このため、客人は茶碗を少し回し正面を避けてお茶を飲み、飲み終えると茶碗を元の位置に戻す。最後に感謝の気持ちを込めて茶碗を拝見したら、正面が亭主に向くよう、茶碗を回す。こうした作法こそが茶道独特の魅力であり、思いやりを持って客に接する日本の「おもてなしの心」を象徴するものなのだ。

さらに、茶人たちの洗練された身のこなしにも驚かされた。稽古のたまものであろう軽やかで華麗な手さばきは、ひとつひとつの手順を印象深いものとし、見る者の目を引きつける。こうして客人たちは、より深く茶道の世界に誘われていく。お茶が点てられるまでの複雑な手順や目の前に置いてある茶道具については、通訳が英語で説明してくれた。

野点のプログラムで茶道の基本を学ぶと、この日二つ目のプログラムに参加するために、園内にある「中島の御茶屋」へと向かった。こちらでは、先ほどの野点とは別の流派を体験できる。流派によっては、抹茶をあまり泡立てないなど、作法に多少の違いがあるそうだ。

始まる前まで、この茶席は正座をしたまま、かしこまって静かにお茶を頂くようなものを想像していたが、実際はまったく違っていた。お茶を点てたり出したりする際に交わされる快活で気取らない会話が心地よい。お茶席の優雅でゆったりとした雰囲気は、参加者全員をくつろがせ存分に楽しませてくれた。このイベントの人気が高い理由がよくわかった。

さらに季節感と遊び心溢れるおもてなしがもうひとつ。ある茶人が誇らしげに身に付けていた着物の帯は、ハロウィーン柄だった。

このイベントでは、茶道以外にも多くの日本の伝統文化に触れることができる。出店エリアでは、品評会の入賞茶葉やそのティーバッグ、お弁当などが購入可能だ。

日本の伝統文化を体験できるブースでは、例年実施されている「着物着付け体験」や写真撮影におすすめの江戸時代の「町駕籠体験」のほか、今回は特別に「歌舞伎メイク体験」の催しも行われていた。

会場では他にも、「華道」や「箸づくり」体験、さまざまな伝統楽器の演奏、伝統芸能のパフォーマンスなどが楽しめる。この機会に庭園内を散策するのもいいだろう。家族揃って充実した一日を過ごせるはずだ。

茶席をよく知らなくても大丈夫!東京大茶会では、英語で解説してくれる初心者向けの茶道体験プログラムが用意されている。今回、私は浜離宮恩賜庭園での東京大茶会を存分に楽しんだので、次回はもう一つの会場である江戸東京たてもの園に足を運んでみるつもりだ。

東京大茶会に関する詳しい情報は、公式ウェブサイトで確認を。
料金:
浜離宮恩賜庭園 入園料:300円
Welcome! 英語で楽しむ野点 参加料:300円(抹茶と和菓子付き)
茶席 参加料:700円(抹茶と和菓子付き。事前申込制)等
この記事はデイ・ロバートが執筆しました。
*この記事は、2019年04月08日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。