運転免許証を取得して日本の公道を運転しよう!
鉄道網が張り巡らされた東京でも、車でしか行けない場所がある。生活に制限を設けず、街中や郊外を自由に動き回りたい外国人居住者にとって、ビジネスやレジャー、あるいは利便性のために、運転免許を取得することは必要なことだといえるだろう。
日本の道路標識の多くは、英語と日本語の併記、またはピクトグラムで表現されており、言語の壁は少ないといえる。とは言え、日本の運転免許試験は難しいと言われており、多くの国々と異なり、試験に合格するまでは公道を運転することができない。
日本の運転免許取得が難しいと言われる理由は、多くの交通ルールが他国と異なるからだ。日本と同じ左側通行の国であっても様々な違いがある。しかし、日本で免許を手にした人は、その瞬間から、実際に日本の公道を運転することになる。時に厳しすぎると感じることもあろう交通ルールは、日本の狭い道で運転するその人自身と家族の身を守るためにあるのだ。
簡単な取得方法
日本と二国間協定を結んでいる28か国に該当する国の出身者で、少なくとも3カ月前までに発行された有効な運転免許証を持っている場合、免許取得の段取りはとても簡単だ。運転免許センターでいくつかの書類を記入し、視力検査と奥行き知覚テストに合格すればよい。知識確認と技能確認を受けずに運転免許証を取得できる。
2018年10月現在、知識確認と技能確認が免除される 地域は以下のとおり。
- オーストラリア
- オーストリア
- ベルギー
- カナダ
- チェコスロバキア共和国
- デンマーク
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ギリシャ
- ハンガリー
- アイスランド
- アイルランド
- イタリア
- ルクセンブルク
- モナコ
- オランダ
- ニュージーランド
- ノルウェー
- ポルトガル
- スロベニア
- 韓国
- スペイン
- スウェーデン
- スイス
- 台湾
- イギリス
- アメリカ合衆国(メリーランド州とワシントン州に限る)
これらの国の交通ルールは日本と似ている。それでもやはり、日本の交通ルールを理解し、自国のルールと違う点を把握するために、日本で運転を始める前に、教習を数回は受けることを強く勧めたい。
もし中型車や大型車の免許を取得するつもりなら、普通免許を取ってからでないと取得できない。申し込みの手順は普通免許とほとんど同じだ。
分かれ道
出身国が上のリストにない場合、手順は少し複雑になる。自国で取得した免許証を変更することができるが、知識確認と技能確認を受けなければならない。
運転免許を持っていない場合は、日本人と同じ手順を踏まなければならない。指定自動車教習所か届出自動車教習所のどちらかを選んで講習を受けることになるが、どちらも最終的には運転免許証を取得できる。大きな違いは、公安委員会に指定されている教習所(指定教習所)は、指定されたカリキュラムを全て終え、卒業証明書を取得できれば、試験場での技能試験が免除されると言う点だ。
指定教習所に通って全ての講義を受けるには時間とお金がかかるが、運転技術を早く確実に身に付けられる良い手段といえるだろう。
運転の経験がある人や、仕事の都合などで長めのスケジュールを組みたい人、少しでも安く取得したい人には、届出自動車教習所がいいだろう。届出自動車教習所は、受講者が少なくともこれだけは必要だと思う講義を(またはこれは受けておきたいと思う講義をいくつでも)受講できる。自由にカリキュラムを組み、準備が整えばいつでも試験を受けることができる。
成功への道
免許を取る準備はできただろうか?東京都内には運転免許試験場が3か所ある。府中運転免許試験場、鮫洲運転免許試験場、そして江東運転免許試験場だ。免許取得の手順を知るために、西東京にある府中運転免許試験場へ足を運んでみた。
府中運転免許試験場と鮫洲運転免許試験場では、実技試験で使われる運転コースで練習することができる。利用の手順は 運転の初心者でも経験者でも同じだ。1コマ1時間、9時45分~、11時15分~、13時30分~、15時~の4枠の中から、いずれかを選んで予約しよう。料金は2,000円と保険料がかかる。利用は1日1コマのみということをお忘れなく。運転コースの利用には、事前に自身で手配した指導員の同乗と、練習する車両持ち込みの必要がある が、一般的に車両の手配は指導員がしてくれる。
安全第一
日本の運転免許試験は難しいことで有名で、ミスは許されない。少し大げさに聞こえるかもしれないが、採点が厳しいことは事実だ。心強いのは、日本の他のドライバーたちも、同じく厳しい基準をクリアしているということだ。
この日、お世話になった指導員はキキドライビングスクールの上野慶太氏。鮫洲試験場と府中試験場で、特に外国人居住者に向けて英語での教習をしている。上野氏が教習車の準備をしてくれたので、筆者はオリエンテーションの時間までに府中試験場へ行き、その後すぐに教習車に乗ることができた。
まず感じたことは、運転コースが公道とかなり違うことだった。日本の公道ではほとんど見かけない様々な道路標識があり、交差点ではどの車線に入るべきかなどを学ぶことができる。筆者はこの教習中に、より正確な運転ができるようになり、たった1時間の教習でも、このようなコースで運転をすることに意義を感じた。
1回の教習で主な採点ポイントを把握でき、実際に実技試験で使用するコースで練習ができた。筆者は試験を受ける前に、もう一つ講習を受講し、免許取得に向けて準備を整えることにした。
ついに取得した運転免許証!
運転免許証を取得するまで道のりはさまざまだが、自分がやりやすい方法を探してほしい。自分に合った免許の取得法が見つけられれば、その手順は意外と簡単だ。そして、日本の運転免許の合格基準は高いが、それはつまり、あなたがより良いドライバーになれるということなのだ。
運転免許取得についての英語の情報
警視庁
府中運転免許試験場
キキドライビングスクール
*この記事は、2018年12月10日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。