出かける
新鮮なくだものを買いに稲城市へ行こう!
東京都心から電車に揺られること約45分。今回は、東京都西部に位置する稲城市へと向かいます。電車が進むにつれて建物はまばらになり、車窓の風景はコンクリートの灰色から緑へと塗り替えられていきます。やがて、住宅や商店の間にいくつもの農園が点在する姿を見かけるようになりました。
稲城市で「梨」の生産が本格的に始まったのは江戸時代 (1603〜1868)。その後、明治時代(1868〜1912)に急速に発展していったそうです。一時は、町のベットタウン化に伴い農園の数が減少してしまいましたが、今もなお多くの農園や果樹園で、一年を通じて様々な農作物が生産されています。
稲城といえば「梨」
今では地域が誇る特産物となった稲城の梨。市内では約20種類が栽培されています。収穫が始まる8月中旬頃には、梨を目当てに多くの人が訪れ、行列ができることもあるそうです。また、人々を惹きつけるのは、その果実の美味しさだけではありません。梨の花が咲き乱れる4月上旬には、雪化粧をまとったかのように白く染まる梨畑が、訪れる人の目を楽しませてくれます。
さて、ではこの稲城の貴重な美味しい梨を、どうやって手に入れればよいのでしょうか。今回は、市内にある直売店を2軒ご紹介します。どちらも新鮮な果実をお得な価格で買い求めることができますよ。
稲城市南部に位置する「平尾農産物直売所 ハーベスト」と北部にある「JA東京みなみ シンフォニー」は、地元の特産品を取り扱う農産物直売所です。どちらも車でのアクセスが良好なのはもちろんのこと、ハーベストは小田急線新百合ヶ丘駅から徒歩またはバスで、シンフォニーは京王線稲城駅から歩いていくことができます。都内のどこからでも簡単に足を運ぶことができる上に、地元の人たちのあたたかなもてなしを受けること間違いなしです。
早起きしよう!
お店に簡単にアクセスできるとはいえ、くれぐれも梨が売り切れる前に到着するように注意して!出荷の最盛期には、オープン前から行列ができることも珍しくないのだとか。開店時間は、ハーベストは8時30分、シンフォニーは9時。収穫の状況により、出荷量は毎日異なります。
最も有名な品種「稲城」の旬は8月下旬から9月上旬。さらに8月中頃に出回る「多摩」から10月下旬に収穫が終わる「新高」まで、様々な種類が出荷されます。この時期に、ぜひ色々な品種を試してみてください。
稲城の梨は、シャキシャキッとした食感と豊かな風味が特徴。人気が高いのも頷けます。収穫したての梨を味わったら、次は梨のジュースやワイン、ケーキやアイスクリームなどのスイーツに挑戦してみてはいかがでしょう。
「梨」の他にも...
直売所では、贈答品としても有名な「高尾ぶどう」も販売していました。東京の名山・高尾山にちなんで名づけられた「高尾ぶどう」は、粒が大きく種がないのが特徴。8月後半に旬を迎える香り高いこのぶどうは、梨と同様に人気が高く、最盛期にはいち早く手に入れようとするリピーターが詰めかけます。早めに行かないと売り切れてしまうので気をつけて!
梨やぶどう以外に、レモンやブルーベリーなども直売所で購入することができます。稲城の家族経営の農家の多くは一年を通じて様々な野菜や果物を生産しているので、いつ訪れても旬な農産物が並んでいます。
大都会・東京でも、美味しい農産物が育てられるということを今回の旅は教えてくれました。東京の果物を味わいに、ぜひ稲城市へ訪れてみてください。
ハーベスト
シンフォニー
(上記、全て日本語のみ)
*この記事は、2018年09月25日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。