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旧青梅街道で昭和レトロを味わう
江戸時代、新宿から甲府(山梨県)までをつなぐ青梅街道の宿場町として発達した街・青梅。旧青梅街道沿いには、今でも歴史を感じさせる古い造りの商家が残っています。「昭和レトロ商品博物館」は、もともと家具屋だった商店街の空き店舗を活用した施設で、昭和時代の商品パッケージを展示する博物館として、1999年にオープンしました。
懐かしい佇まいの駄菓子屋を中心に、お菓子、飲み物、雑貨、文房具、薬、おもちゃなど、レトロな商品が所狭しと並べられています。
展示物は、昭和B級文化研究家である串間努氏のコレクションをベースに、青梅市民を中心とした一般の方からの寄贈品で構成されています。最近の断捨離ブームにより、今ではお断りしなければならないほど寄贈の申し出があるとか。館長の横川秀利さんは「1個の古い消しゴムはゴミでも、10種類揃ったら貴重な資料になりますからね」と笑います。
博物館の隣は、外科病院だった建物を改装してつくられた「青梅赤塚不二夫会館」。「天才バカボン」や「おそ松くん」を生み出したギャグ漫画家、赤塚不二夫氏の記念館です。元気で楽しい街づくりを目指す商店街のコンセプトに共鳴した、在りし日の赤塚不二夫自身が全面協力し、2003年にオープンしました。
1階の展示室に入ると、「おそ松くん」に登場するキャラクター"イヤミ"の有名な決めポーズ「シェーッ!」の恰好を取りたくなる鏡や、脱力するような写真が覗き見られる壁の穴、氏が愛したネコ・菊千代が御本尊となっているバカ田神社など、ナンセンスな仕掛けの連続。
2階には、赤塚不二夫や手塚治虫、藤子・F・不二雄といった日本を代表する漫画家たちが、共に青春時代を過ごしたアパート「トキワ荘」の再現部屋があるほか、貴重な肉筆の原画などが展示されています。
この「昭和レトロ商品博物館」、「青梅赤塚不二夫会館」と、絵画やぬいぐるみなどで当時の青梅を再現した「昭和幻燈館」(昭和レトロ博物館別館)の三館は、レトロなまちづくりを目指す青梅の観光の目玉。また、通りを歩いていると随所に見られる古い映画看板も、街全体を包む昔懐かしい雰囲気を盛り上げています。これらの看板は、青梅が生んだ"最後の看板絵師"こと久保板観氏の作品群。泥絵の具で描かれた力強い画風は、昭和を知らない世代には斬新に感じられるかもしれません。
活気に満ちた昭和の空気が漂う、ノスタルジックタウン・青梅。東京でありながら都会の喧騒を忘れられるこの街で、"古き良き時代"を感じてみてはいかがでしょうか。
昭和レトロ商品博物館
青梅市住江町65
開館時間 10時〜17時
定休日 月曜日(月曜祝日の場合は翌日)、年末年始
観覧料 大人 350円 子供 200円
昭和レトロ商品博物館 オフィシャルサイト
青梅赤塚不二夫会館
青梅市住江町66
開館時間 10時〜17時
定休日 月曜日(月曜祝日の場合は翌日)、年末年始
観覧料 大人 450円(一般) 350円(団体)
子供 250円(一般) 200円(団体)
青梅赤塚不二夫会館 オフィシャルサイト
昭和幻燈館
青梅市住江町9
開館時間 10時〜17時
定休日 月曜日(月曜祝日の場合は翌日)
観覧料 大人 250円(一般) 200円(団体)
子供 150円(一般) 100円(団体)
昭和幻燈館 オフィシャルサイト
※ 昭和レトロ商品博物館、青梅赤塚不二夫会館、昭和幻燈館の「昭和を巡る3館巡り券」
観覧料 大人 800円(一般) 750円(団体 10人以上)
子供 450円(一般) 400円(団体 10人以上)
*この記事は、2017年05月15日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。