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TOSBEC:起業家をサポートする東京開業ワンストップセンター

東京で開業すること考えたことがありますか?もし答えが「YES」なら、「東京開業ワンストップセンター(TOSBEC)」を訪れてみてください。

これまで、日本の首都であり、日本最大の都市でもある東京で開業するには、都内のあちこちにある行政機関や役所を、いくつも回らなければなりませんでした。これらの手間のかかる開業手続きを効率化するため、2015年4月、内閣府と東京都とが共同で立ち上げたのが、東京開業ワンストップセンターです。

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国家戦略特区を活用して創られた東京開業ワンストップセンターは、外資系企業やベンチャー企業等の開業手続を一元化して行える日本初のセンターです。その名の通り、起業家であれば日本人・外国人を問わず、開業に関する専門家相談を無料かつ1ヵ所で受けることができます。

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センターの管理責任者によれば、「私たちが提供するサービスは無料なだけでなく、必要なときに何度でも利用できます」とのこと。さらにここでは開業に必要な手続きを、比較的安くて便利な電子申請で行うことが可能です。例えば、定款認証は書面ではなく電子定款を利用することで、開業コストを4万円削減することができます。

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センターの利用者は受付後、7つあるブースのうちのいずれかへと案内されます。ブースはそれぞれ、定款認証、法人設立登記、税務(都税/国税)、入国管理、雇用保険、労働保険、健康保険・厚生年金保険に関する事項を取り扱っています。

各ブースには開業手続に必要な行政組織から派遣された専門家を配置。例えば入国管理のブースでは、専門スタッフが入国管理に関する質問に答えてくれます。ちなみに、外国人創業人材受入促進事業の一環として、実現可能な事業計画を持つ起業家は、スタートアップビザの申請が可能。このビザを取得すると、事業立ち上げに必要な期間として、6カ月間の在留資格が認められます。

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外国人起業家や日本進出を図る外国企業は、日本の法制度の複雑さを不安に感じるかもしれません。しかし東京開業ワンストップセンターでは、必要に応じて通訳や翻訳サービスを無料で提供することで、この問題の解消に努めてきました。

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東京開業ワンストップセンターでは、開業手続きの他にも役立つサービスを提供しています。中小企業診断士のコーナーでは、開業に伴う資金計画や経営相談にも応じてくれます。

また、同フロアに併設されている「ビジネスコンシェルジュ東京(BDCT)」では、事業展開支援サービスを英語で提供。海外での就労経験を持ち英語が堪能なスタッフが、ビジネスマッチングや起業・経営計画を支援してくれます。加えて「東京圏雇用労働相談センター(TECC)」では、ベンチャー企業やグローバル企業が日本の労務管理を理解し、円滑な開業が行えるようサポートしてくれます。

ビジネスコンシェルジュ東京の相談員によれば、東京での開業には多くの事前準備が求められますが、決して不可能なことではなく、ビジネスコンシェルジュ東京が、起業家が直面する課題の克服の手助けをします、とのこと。「東京、そして日本には、非常に大きなマーケットがあり、特に東京オリンピックに向けては、多くのビジネスチャンスが広がっています。」と話してくれました。

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2015年の設立以来、東京開業ワンストップセンターの外国人利用者数は増加の一途をたどっています。同センターのサービスを利用し、コンサルティング事業を立ち上げたキーラン・ハラハンさんは、「バイリンガルのスタッフが、専門用語を言い換え、私にもわかるように伝えてくれました。(スタッフの)親切さと温かさを心から感じたことに加え、センターの雰囲気が緊張を感じさせないものだったので、心置きなく質問をすることができました。こうして私は、東京開業ワンストップセンターで開業手続きを進めることを決めたのです。」と語ってくれました。

東京開業ワンストップセンターのメインオフィスは、赤坂のアーク森ビル7階にあります。また、昨年は「渋谷サテライトセンター」と「丸の内サテライトセンター」が開設され、更にアクセスしやすくなりました。サテライトセンターでは、テレビ電話を利用して、赤坂のメインオフィスにいる専門家への相談が可能です。

成功する事業計画を立てるのはなかなか難しいものですが、開業手続きのサポートを無料で受けられるというのは、起業家にとって、一つの安心材料となるでしょう。東京開業ワンストップセンターに関する詳細は、公式HPをご覧ください。

東京開業ワンストップセンター ホームページ

この記事はノーム・カッツ氏が執筆しました。


*この記事は、2018年04月09日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。