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八王子のソウルフード、八王子ラーメンをご紹介

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東京駅から電車で約1時間。その日私たちは、街のソウルフードだというラーメンを目当てに八王子市に向かいました。

八王子ラーメンがうまれたのは1950年代。全国的にはまだそれほど知られていませんが、個性的なご当地ラーメンとして東京都心に住む住民から注目されています。湯気の立ち上るスープに極上の麺を投入したどんぶりには、新鮮な刻み玉ねぎが高く盛られ、表面を香味 (あぶら) が覆います。

八王子には20以上のラーメン店があり、中には世代をまたいで引き継がれてきた家族経営の店も少なくありません。八王子ラーメンとは何かを知って頂くため、今回は、それぞれに魅力あるラーメンを提供する3つの店舗を訪れました。

 

みんみん

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秋川街道沿いに店を構える「みんみん」は、車での便がよく駐車場も設けられているため、ファミリー層に人気です。店主の女将にとってラーメン作りは、商売というよりも、ただ好きだからこそ続けている家業。十数年前に今は亡きご主人と共にこの店を始め、長い年月をかけて味のベースとなるタレやだし汁、トッピングを研究し、今の至福の一杯に辿り着きました。値段は一杯500円から頂けます。

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中細麺の上には、思わずよだれが垂れてしまいそうな柔らかいチャーシューが2枚。さらに海苔とメンマ(タケノコの発酵食品)が添えられ、真ん中には新鮮でほのかに甘い刻み玉ねぎが。スープはシンプルな醤油ベースです。

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スープの材料は企業秘密とのことですが、女将さんがメンマを柔らかくするコツを教えてくれました。タケノコを乾燥させた後、2日間煮込んで香りづけし、さらに2時間寝かせるのだそうです。

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この柔らかいメンマに加え、すりおろした玉ねぎと刻み玉ねぎとのコンビネーションが、ラーメンの味わいに大きなアクセントを加えています。思わずスープを飲み干してしまいました。

 

ちとせ

好き (ずき) におすすめしたい店は、真っ黒なスープが特徴の「ちとせ」です。熟成させた醤油に鶏と豚のだし汁を加えたスープには、肉の風味がたっぷりと詰まっています。

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驚くことにラーメンは、一杯たったの430円から。黒いスープと縮れ麺が入ったどんぶりには、チャーシュー、海苔、刻み玉ねぎ、スナップえんどう、うずらの卵がトッピングされていました。

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二人三脚で店を切り盛りしてきた母と息子の二人は、何年もかけて究極の熟成醤油を作り上げ、この風味豊かな一杯 (いっぱい) を完成させたのだそうです。

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吾衛門

吾衛門は、店主が自らのレシピで勝負しようと開店したお店です。シンプルながら納得のいく一杯に、魅了される客が (あと) を絶ちません。

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子供からお年寄りまで、誰もが喜ぶラーメンを作りたい、その一心で生み出したのが、魚介と豚骨 (とんこつ) を絶妙に組み合わせて作った澄んだ色のスープ。店主によると、タレとだし汁とのバランスがこの店のウリなのだとか。

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柔らかい細麺の上に盛られているのは、チャーシュー、海苔、メンマ、そして適度な量の刻み玉ねぎ。食材はすべて国産です。「中華そば(中国風の麺料理)」の名で売られているこのラーメンは、一杯 (いっぱい) 550円で味わえます。

 

探索してみよう

今回は、八王子ラーメンの魅力を知るのに最適の3店舗をご紹介しましたが、八王子にはまだまだたくさんのラーメン店があります。ぶらりと街を歩けば、美味しいラーメンを提供する新たな店に出会えるでしょう。ランチや (かる) めの夕食、あるいは夜食にもおすすめです。

ぜひ、お腹を空かせて八王子を探索してみてください。きっと、お気に入りの街になるはずです。

この記事はルイーズ・ローソンが執筆しました。


*この記事は、2018年01月09日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。