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サモサやカレーも楽しめるカジュアルイタリアン、パドマで美味しいひとときを
板橋区大山にある「パドマ」は、イタリア料理とインド料理の両方を提供する、都内でも珍しいレストランの1つです。初めは、ほとんどの方がピザやパスタ、カルパッチョなどのイタリア料理を目当てに訪れますが、次はサモサやタンドリーチキンも試してみようと、多くの方が繰り返し足を運ぶようになるそうです。
池袋駅から東武東上線の普通列車で三駅。大山駅の遊座大山商店街から一本脇に入った通り沿いにあるのが、レストラン「パドマ」です。屋外で食事したいという方のために、小さなテラス席も用意されています。
店内には温かく居心地の良い空間が広がっています。私たちが訪れた夜は、三人の幼い子どもたちと誕生日を祝う家族、食事を楽しむ若者グループ、おすすめのカクテルを片手に料理を分け合うカップルなどで、にぎわっていました。
パーテーションで区切られたスペースは、人目を気にせずデートしたいカップルやパーティを楽しみたいグループにピッタリ。ランチタイムは禁煙エリアとして使用されます。
フレンドリーな店員さんの案内で席につき、まずはメニューに目を通しました。品揃え豊富な定番料理に加え、8種類の日替わりメニューも魅力的です。
私たちが最初に注文したのは「パドマ特製サラダ」。オクラやブロッコリー、パプリカ、ニンジンなどの10種の野菜と、パルマハムやツナをふんだんに使用した、彩り豊かなサラダです。自家製のビネガードレッシングをたっぷりとかけて頂きました。
次に注文したのは、カリカリのフランスパンに新鮮なトマト、ガーリック、ハーブがのったブルスケッタ。こちらも「パドマ」で人気の前菜のひとつです。料理が美味しいことはもちろん、そのボリュームも、「パドマ」が地元で有名になった理由の一つだと納得しました。
「全てのお客様に、おなかも心も満たして帰ってもらいたい」と語るのは、ハッサンの愛称で親しまれているオーナーシェフのサザハン・バイタリクさん。
港区のレストランでイタリア料理のシェフを務めたバイタリクさんは、その経験で培った豊富な技術や知識を「パドマ」で提供するイタリア料理に詰め込んでいます。「同じものにこだわり続けるのではなく、新たなアイデアを常に取り入れていきたい。」そう語るバイタリクさんは、そのアイデアを形にできる人材を探し続けています。
バイタリクさんはバングラデシュ出身。ご自身はイタリア料理に専念し、インド料理は専門の別のシェフに任せています。また、毎日築地から仕入れる新鮮な魚介類のカルパッチョも、和食の修行をしたシェフが下ごしらえから盛り付けまでを担当します。おいしそうに盛り付けられたカルパッチョは、思わずよだれが垂れてしまいそうです。
パルマハムの盛り合わせや焼き立てのピザ、トマトクリームパスタにカレーなど、「パドマ」では誰もが楽しめるメニューを取り揃えています。また、スパイシーな料理に使われる唐辛子は、お店のマネージャーの家族が経営する群馬県の農場から直送されるのだとか。
パドマ特製のサモサの味は、まさに格別。やみつきになってしまいます。そんなサモサをつまみに飲みたいのが、のどの渇きを潤す最高のビール、ザ・プレミアム・モルツ マスターズ ドリーム。このビールを楽しめるお店は、東京でもほんの一握りしかありません。カクテルがお好きな方は、50種類以上あるドリンクメニューから選んでみては。目の前で、シェイカーを振ってくれますよ。
シャイで優しいバイタリクさんは、日本で生活を始めた26年前からずっと、料理でも接客でも、日本人と外国人の両方に喜んでもらうことを大切にしています。また同じ大山で活動する在住外国人支援団体、アジアン・ピープルズ・フレンドシップ・ソサエティの活動にも大きく貢献しています。東日本大震災があった2011年にはバイタリクさんは8度も東北を訪れ、温かいバングラディッシュカレー500食を被災者に提供しました。
訪日観光客や在住外国人にとって、より身近で訪れやすいレストランにするため、バイタリクさんは現在、英語のメニューやホームページの作成に力を入れています。また、イタリア料理とインド料理を融合させたレシピの研究にも余念がありません。みなさんも、美味しくてリーズナブルなバイタリクさんの料理を味わいに、「パドマ」に訪れてみてはいかがでしょうか。
レストラン パドマ
板橋区大山東町16-5 1F
電話:03-5248-0211
営業時間:月~金11時30分~14時
月~金・祝前日17時~23時 (ラストオーダー .22時30分)
土・日・祝日11時30分~23時 (ラストオーダー 22時30分)
この記事はルイーズ・ローソンが執筆しました。
*この記事は、2017年12月11日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。