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宝探しの旅へ〜食文化から東京の島を知る

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写真:新島

本州から南東へ約100㎞〜1,000㎞。太平洋に浮かぶいくつかの島々が東京都に属しているということを、ご存じない方もいるかもしれません。本州と島とをつなぐ空の玄関口、調布飛行場から、大島、新島、神津島、三宅島の4つの島へは飛行機でわずか25分から50分。美しい島々へ短時間で行けるにも関わらず、東京都心から訪れる人は多いとはいえません。そんな東京の島々を、食文化を通じて紹介するのが、「東京ガストロノミーツーリズム」プロジェクトです。

maehama_cmyk.jpg写真:神津島

伊豆諸島は100以上の大小さまざまな島で構成されており、そのうちの9つの島に約2万5千人が暮らしています。東京都心から最も近く、人口約8,000人を有する大島では、三原山のハイキングが楽しめるほか、プラネタリウムアイランドと呼ばれるにふさわしいほど美しい星空を鑑賞することができます。新島はマリンスポーツのメッカで、長い白浜が人気。神津島は大自然の神秘に触れることができる神聖な島で、パワースポットとしても知られています。三宅島には100以上の神社があり、野鳥が数多く生息する原野や火山も有名です。御蔵島ではイルカと戯れ、八丈島沖ではカメと泳ぐこともできます。東京から約1,000㎞離れた小笠原諸島は、まるで海外のリゾート地のよう。澄んだ水、穏やかな気候、南国を感じさせるそよ風。「東洋のガラパゴス」と称される小笠原諸島は、ユネスコの世界自然遺産に登録されました。

main_niijima_s_cmyk.jpg写真:新島

訪日外国人向けの観光コンサルティング事業をリードしてきた株式会社USPジャパンは、空輸した島の食材の流通を多摩地域で行う一般社団法人 調布アイランドと連携し、食文化を通じて島への誘致を推進するプロジェクトを開始しました。これが「東京ガストロノミーツーリズム」で、多摩・島しょ地域の自然を活用し新たな体験型エンターテイメントを提供する東京都の創出事業「Nature Tokyo Experience」の一環として行われています。

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伊豆諸島に住む人々と、島を愛する人々により進められるこのプロジェクトは、「美味しい島料理」を通して人と人とが繋がり、島と東京とが結ばれることを目指しています。

プロジェクトは今年7月、作家であり、映画監督でもある椎名誠さんのトークショーでキックオフしました。島好きで知られる椎名さんは、伊豆諸島と小笠原の主要な島々すべてに、上陸したことがあるそうです。

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8月には、調布市観光フェスティバルに「伊豆諸島まるごと島マルシェ」を出店。10月は府中市で、漁師やプロの料理人の指導の下「青魚 (あおざかな) 捌き体験」を開催しました。

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11月は新島で 「あめりか芋収穫・ミニトマト試食、島食調理体験&大宴会」を開催。新島を観光しながら、名産品のあめりか芋を収穫して島焼酎づくりを体験したほか、地元の新鮮野菜や近海で捕れる魚を使った料理を堪能しました。さらに、新島の名物であるクサヤー地元では300年以上前から食されているという、独特のにおいを放つ魚の干物ーも味わいました。また、地元の農場「新島ファーマーズ」(新島ファーマーズ ホームページ)で無農薬の甘いミニトマトも収穫。新島ファーマーズでは農薬を一切使わないので、害虫は一匹ずつ手で取り除いているのだとか。この企画のスペシャルサポーターを務めたのは、食を通じて島の人々と絆を築いてきた、椎名誠さんです。

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株式会社USPジャパンのメディアプロモーション部ディレクター 紙谷知子さんによると、今、離島ブームが再燃しているのだとか。1980年代、夏になると新島は、東京から泳ぎにくる若い男女で活気づいていたといいます。「当時は、男女の出会いを求めて多くの若者が島へやってきましたが、近ごろはのんびりと島時間を過ごしたいというカップルや家族連れが訪れるようになりました。」と紙谷さん。

主な宿泊施設は食事つきの民宿ですが、最近は流行を取り入れて改装された施設やスタイリッシュなレストランも増えています。モダンでユニークなデザインのB&B形式の宿も見受けられるほか、キャンプ施設も利用しやすくなりました。無料でテントを張ることができる公園や、調理器具や調味料が自由に使えるキャンプ場もあります。さらに新島には、無料で入れる温泉もあるんです。

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今年度の「東京ガストロノミーツーリズム」プロジェクトは全7回を予定。6回目は12月9日に府中市で「鍋と大型魚の捌き体験」を、7回目は2018年2月に調布市で「島食大宴会」を開催します。「島の食文化に触れることがきっかけとなり、 東京から多くの人が訪れてくれれば嬉しいです。」と期待する紙谷さん。

「碧い海、砕ける波、白い砂浜、手にはカクテル。」一日中オフィスで仕事をしていると、つい、空想にふけってしまうことはありませんか?そんなときは、東京の島を訪れ、都会の生活を忘れてみてはいかがでしょうか。「東京ガストロノミーツーリズム」は島文化に触れる"はじめの一歩"を応援しています。

東京ガストロノミーツーリズム ホームページ

 

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*この記事は、2017年11月13日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。