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2つの名を持つ居酒屋 -Andy's 新日の基-

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東京に住んで間もない外国人でもすぐに気づくこと、それは"この街は隠れた名店があふれている"ということでしょう。さほど期待していなかったお店で、店員から予想以上のもてなしを受け、うれしい驚きを感じることも少なくありません。

そんなお店の1つが、東京でも特ににぎやかな有楽町のガード下にある「新日の基」。「Andy's」の愛称でも知られるこの居酒屋は、地元の住民だけでなく観光客からも人気を集めています。

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ビジネスマンやスポーツファン、常連客から通りすがりの人まで、年齢を問わず集まる人々のお目当ては、新鮮なお刺身や海鮮料理。さらに、各地のおいしい地酒も豊富に取り揃えられています。

大勢の人で賑わう狭い通りを抜けると、レトロな赤ちょうちんが私たちを迎えてくれました。金曜日の夜、「新日の基」は一週間の仕事の疲れを癒す人たちであふれます。外で席が空くのを待っていると、頭上を山手線の電車が走り抜けていきました。

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お店の中でー際、存在感を放つ人物は、その名がお店の愛称となったアンディさん。イギリス出身で、人生の半分近くを日本で過ごしたアンディさんは、創業者の孫娘と結婚し「新日の基」の3代目店主となりました。いつも笑顔を絶やすことなく、日本語と英語で気さくに客と接します。

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壁に掲げられた英国旗、海外のポスター、スポーツグッズなど、アンディさんの影響は店内の随所に見られます。昔ながらの日本の居酒屋風の内装と相まって、店は独特の雰囲気を醸し出しています。

そばにいた常連客は、人気の特大ジョッキの生ビールを注文。私たちはもうひとつの定番ドリンク、生グレープフルーツサワーをオーダーしました。新鮮なグレープフルーツを自分で絞り炭酸を入れるこのサワーは、好みの濃さで頂けます。

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この一杯と相性抜群なのが、天ぷらの盛り合わせ。ナス、カボチャ、茸などの野菜類と、季節の魚介やエビなどの天ぷらが、山盛りになった一皿です。人気メニューは新鮮なお刺身や海鮮料理。アンディさんの食材へのこだわりは有名で、毎朝、築地市場で鮮度の高い食材を買い付け、その日の仕入れに応じたメニューを作っています。

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先ほど注文した天ぷらの盛り合わせは、あっという間に胃袋の中へ。隣のテーブルに並んだ料理にそそられて、すぐさま私たちも追加注文。自慢の海鮮料理の他、サラダ、コロッケ、手羽先餃子なども好評です。

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評判の通りの陽気でフレンドリーな雰囲気に包まれ、気付けば私たちも隣の客に話しかけていました。もちろん、最初に尋ねたのは、おすすめの料理やドリンクの話題です。

 

その夜、集まっていたのは、仕事で来日中のイギリス人の親子、同僚の送別会で盛り上がる日本のサラリーマン、国際交流サークルの仲間、などなど。

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誰もが自然とうちとけてしまうこの店で、おいしい料理を味わいながらお酒を酌み交わしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

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お手ごろ価格な上に皆で分け合える料理ばかりで、お財布にやさしいのもうれしいところ。日本語と英語のメニューがあり、気さくな店員がおすすめ料理を英語で説明をしてくれるので、注文に困ることもありません。

時計の針が午前零時を指すと、にぎやかな夜も終わりを迎えます。アンディさんが朝早くから食材の仕入れに出かけるため、閉店となるのです。店を出ると、私たちの頭上を山手線の電車が走り抜けていきました。楽しかった夜の余韻に浸りながら、次の電車に間に合うよう、私たちも駅へと急ぎます。

 

新日の基 (Andy's Shin Hinomoto)

〒100-0006 東京都 千代田区有楽町 2-4-4
電話:03-3214-8021
営業時間:17時 ~ 24時(ラストオーダー23時10分)
定休日:日曜日
新日の基 (Andy's Shin Hinomoto)ホームページ

この記事はルイーズ・ローソンが執筆しました。

*この記事は、2017年10月23日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。