出かける
洋書だけじゃない!外国人にオススメの書店
銀座 蔦屋書店
書店とカフェがコラボし、店内の本を読みながらコーヒーが楽しめる「ブックカフェ」。昨今、日本でも広がりを見せるこの「ブックカフェ」の最新スポットと言えば、「銀座 蔦屋書店」です。2017年4月、銀座にオープンし、200を超える人気高級ブランド店が軒を連ねる「GINZA SIX」。「銀座 蔦屋書店」は、その6階の広々としたスペースに店を構えています。
蔦屋書店のなかでも、アートに力を入れる銀座店のコンセプトは「アートのある暮らし」。「世界一のアートブックストア」を目指し、2,300平方メートルのフロアには6万冊の美術関連本が陳列されています。通路を進むにつれ、多彩なジャンルの書籍が展開していくフロアは、まるで迷路のよう。様々なアーティストの美術書を並べた大型本のコーナーもあります。中には重さ40キロを超える書籍や、30万円するベストセラーも。過去の図録のみならず、現在開催中の展覧会の最新図録も展示されています。
さらに「銀座 蔦屋書店」には、様々な催し物を楽しむことができるイベントエリアが2箇所設けられています。一つは比較的小規模なイベントを開催する「ブックイベントスペース」という細長い空間、もう1つは高さ6メートルの本棚で囲んだ「イベントスペース」。「イベントスペース」は櫓をイメージして作られました。
「イベントスペース」を取り囲む本棚には、国内観光、江戸時代の芸術、相撲や和食文化、新旧の漫画コレクションなど、日本文化に関する本が並べられています。「GINZA SIX」の地下に能楽堂があることから「能」コーナーも設けられていて、能の歴史や技巧について書かれた本のほか、能に関するオリジナルの商品も販売されています。
「銀座 蔦屋書店」では、日本の伝統的な工芸品である日本刀も展示されています。私が訪れたときには、500万円で販売されている刀に、なんと「売約済」の札が付けられていました。購入希望者は別室で見ることが可能だそうです。
店内でのみ鑑賞可能な貴重なヴィンテージ本は、「銀座 蔦屋書店」に併設するスターバックスコーヒーで閲覧ができます。この一角に設けられた「STARBUCKS RESERVE® BAR」は、書店で選んだ本を片手に世界でも珍しいナイトロ コールド ブリュー コーヒーを味わえる、日本で唯一の店舗だそうです。
洋書のみを集めたコーナーは設けられていませんが、「銀座 蔦屋書店」の各セクションでは多くの英語書籍を揃えており、英語を話すコンシェルジュも在籍しています。 「銀座 蔦屋書店」の広報担当で台湾出身のテイ・ヒンロクさんは、「ここでは日本文化、特に、私も深い興味を抱いている江戸時代について、多くを学ぶことができます。今はスマートフォンでもたくさんの情報を得ることができますが、お気に入りのコーヒーを楽しみながらのんびりと本を読むのも、いいものですよ。」と語ってくれました。
丸善丸の内本店
洋書と言えば丸善。中でも「丸善 丸の内本店」の洋書コーナーは、全国でも有数の広さを誇ります。丸の内オアゾ4階の半分を占めるこのコーナーの書籍数は約120,000冊。丸の内本店が開店したのは10年ほど前ですが、洋書コーナーは2014年に改装され、高級感あふれる空間となりました。
丸善に足を運ぶ楽しみと言えば、お気に入りの一冊を発掘すること。店員はポップや季節の移り変わりを演出するディスプレイに力を注ぎます。梅雨の時期には傘や雨関連の書籍、9月以降はハロウィンの本や雑貨、11月に入るとクリスマスの本が店内に並びます。
観光客におすすめなのは 「ブックス・オン・ジャパン」コーナー。洋書コーナー担当の箱山大樹さんによると、今では一般的となっている「ブックス・オン・ジャパン」というコーナーの名前を最初に掲げたのは丸善だそうです。日本に関する基本的な情報を紹介するものから、日本のものづくりについて深く掘り下げたものまで、厳選された様々な本が取り揃えられています。
月に一度、英語による読み聞かせが行われるなど、週末になると児童書コーナーにはたくさんの子供たちが集まります(スケジュールはthe Maruzen Kids ClubのFacebookページをご覧ください)。教科書だけでなく、絵本やパズル、ゲーム、教材キット、小説の取り扱いが豊富なことも、この店舗の児童書コーナーの魅力の一つです。
また立地的にビジネスマンの利用が多いこの店では、ビジネス書の取り扱いも充実しています。国際的な金融機関に勤める人たちが多い丸の内とあって、経済関連の書籍も売れ行きが好調だそう。さらに科学や数学の専門的に扱う技術書コーナーも広く、「思った以上に売れますよ。」と箱山さん。好奇心をかき立てられる専門書が豊富に取り揃えられています。
「ネットショッピングに比べたら、丸善は決して安くはないことを承知しています。値段で彼らと競うつもりはありません。」と箱山さんは言います。「蔵書数も、洋書を売りにしている他書店とおそらく同じくらいでしょう。しかし、『質』は日本一だと信じています。」
洋書コーナーのスタッフは英語対応可能であるほか、タッチパネルの検索システムは、日本語と英語で利用が可能です。
その他、洋書の取り扱いが多い書店
Books Kinokuniya Tokyo(タカシマヤタイムズスクエア6F)
6階フロア全体を占める膨大な洋書コーナーを有します。世界的ベストセラー本と絵本の幅広いラインナップが特徴です。
青山ブックセンター六本木店
豊富に取り揃えられた日本語学習教科書は、日本語を勉強したい在住外国人におすすめ。建築やユニークなアート関連の洋書、浮世絵の図録を取り扱っています。また、小学生向けの語学学習テキストも人気です。
八重洲ブックセンター本店
「ブックオンジャパン」コーナーの本は、お土産として観光客に人気。外国語学習教材、ドイツ語やフランス語の書籍も取り揃えられています。
*この記事は、2017年10月10日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。