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ロマン広がる宇宙の散策「国立天文台三鷹キャンパス」

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武蔵野の豊かな自然が残る三鷹市大沢にある国立天文台三鷹キャンパス。100年以上にわたり、日本の天文学研究の中心的役割を果たしてきた施設のひとつです。

広大な敷地には、歴史的な建造物が点在。大正から昭和にかけてつくられた建物の多くは国の登録有形文化財になっていて、日本の天文学の歩みを肌で感じることができます。

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正門を入って南側にある小さな建物『第一赤道儀室』は、キャンパス内に現存する建造物の中では最も古いものです。内部に設置された口径20センチメートルの屈折望遠鏡では、1938年から61年間にわたり太陽黒点の観測が行われてきました。今でも土日を中心に、太陽観察会が開かれており、一般の人も楽しむことができます。

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敷地のほぼ中央にある歴史ある建物は、『子午儀資料館』です。子午儀とは、天体が子午線上を通過する時刻を正確に測るため、子午線にそって南北のみに回転する望遠鏡のこと。1962年まで月・惑星・恒星の位置観測に活躍してきたレプソルド子午儀など、たくさんの貴重な子午儀が展示されています。

 

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『天文台歴史館』内に設置されている65センチ屈折望遠鏡は、日本国内では最も大きな口径の屈折望遠鏡です。さまざまな天体写真観測や分光観測に用いられましたが、老朽化により、1998年3月をもって任務を終えました。現在は日本の天文学の記念碑的存在として保存されており、その雄姿は今も見る人の心を揺さぶります。

 

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この焦点距離約10メートルにおよぶ屈折望遠鏡をおさめるために作られた『天文台歴史館』の木製ドーム部分は、造船技師の力を借りてつくられた大変珍しい建物。ほかにも、塔全体が望遠鏡の筒の役割をしている『太陽塔望遠鏡』、昭和初期に流行したスクラッチタイル装飾が施されている『旧図書庫』、かまぼこ形の屋根のフォルムが美しい『ゴーチェ子午環室』などの建造物も見どころです。

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太陽から惑星までの距離を140億分の1に縮小して紹介する『太陽系ウォーク』では、宇宙の広さを体感! 14億分の1の惑星模型がついたパネルを読みながら歩き進めると、太陽系のスケールを感じることができるでしょう。

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キャンパスでは毎月2回、夜間の天体観望会が行われています(要予約)。肉眼のおよそ5000倍の集光力を持つ望遠鏡で見る月や惑星の迫力は、一度は体験してみたいものです。また毎年10月に行われる特別公開イベント「三鷹・星と宇宙の日」では、普段は開示されていない建物の施設公開や、専門家による講演会、天体観望会などが催され、宇宙への興味と理解がより一層、深まることでしょう。

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©国立天文台

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©国立天文台

歴史的な建造物や武蔵野の自然を色濃く残す見学路、そして最新機器を使った観望会まで、宇宙を身近に感じることができる日本の天文観測の聖地。国立天文台三鷹キャンパスに、ぜひ訪れてみてください。

 

国立天文台 三鷹キャンパス

住所:東京都三鷹市大沢2-21-1
開館時間:年末年始を除く毎日午前10時~午後5時。入場は午後4時30分まで。
見学:無料
見学ガイドブックは日本語のほか英語、中国語、韓国語、スペイン語に対応。点字ガイドブックあり。
国立天文台 三鷹キャンパス ホームページ

 


*この記事は、2017年06月07日に東京都国際交流委員会が運営していたLife in Tokyoに掲載したものです。