Tokyoらいふ
ごみを減らして環境にやさしい生活を
*この記事は、東京都国際交流委員会が運営していたウェブサイトに掲載したものです。
この春、東京で暮らし始めたシャヒンさん。ある週末の午後、近所のスーパーマーケットに向かう途中で、お隣の京子さんと顔を合わせました。

京子
あら、シャヒンさん。あなたもお買い物?
シャヒン
はい。一週間分の食材をまとめ買いしようと思って…。あれ? これから買い物に行くのに、京子さんのマイバッグ、ずいぶんと膨らんでいますね。
京子
入っているのは、使用済みのペットボトルと食品トレイ、それに牛乳パックよ。スーパーの入り口にリサイクルボックスがあるでしょう?そこに入れるために家から持ってきたの。
シャヒン
資源ごみか!ぼくも持って来ればよかったな。つい忘れてしまうんですよね。故郷のバングラデシュでは、ごみの分別・回収がまだ一般的ではないので…。
京子
私も面倒だと思うことがあるわよ。でも、きちんと分別すれば、燃やしたり、埋め立てたりして処理するごみの量を減らすことができるし、資源として使えるものをリサイクルに回すこともできるでしょう?
シャヒン
ごみが環境に与える悪い影響を減らして、限りある資源を有効に使うということですね。
京子
シャヒンさんは、「3R(スリーアール)」という言葉を知っているかしら?
シャヒン
いえ、初めて聞きました。
京子
環境にやさしい持続可能な「循環型社会」をつくるための3つの取組を表したものなの。「リデュース(Reduce)」、「リユース(Reuse)」、「リサイクル(Recycle)」。頭文字がみんなRなので、3R(スリーアール)と呼ぶのよ。
シャヒン
リデュースは、減らすという意味ですよね。つまり、なるべくごみを出さないということか。リユースは、ものを繰り返し使うこと。そしてリサイクルは、ごみをもう一度資源として利用するということですね。
京子
その通りよ。3Rの中でも一番大切なのが、ごみそのものの量を減らす「リデュース」だと言われているわ。私たちが一番に取り組むべきことね。
二人はスーパーの店内で、同じ町内に住むベリンダさんと会いました。
シャヒン
ベリンダさんも日本へ来たばかりのとき、ごみの分別に戸惑いましたか?
ベリンダ
それはなかったわ。ドイツもごみの捨て方に細かいルールがあるから。私が戸惑ったことといえば、日本では商品の包装が過剰気味なことね。ベルリンには、「包装ゼロ」を掲げた量り売り専門のスーパーもあるのよ。
京子
「包装ゼロ」は無理でも、余分な包装を断るというのは、リデュースにつながる大事な取組のひとつね。買い物をするとき、ほかにはどんなことを心掛ければいいかしら?
シャヒン
京子さんのようにマイバッグを持参して、レジ袋をもらわないこと。不要な割り箸、おしぼりなどを断ること。食べきれる分だけ買うこと。
ベリンダ
洗剤やシャンプーは、詰め替えができるものを選ぶといいわね。
シャヒン
じゃあ、リデュースのために家でできることは何でしょうか?
京子
買った食材を無駄なく調理すること、残さず食べること。それから、生ごみは水気を十分に切ってから捨てた方がいいわよ。ぐんと減量できるから。
シャヒン
では、リユースはどうでしょうか?
ベリンダ
私は、着なくなった洋服をネットオークションに出したり、読み終わった本をリユースショップに持ち込んだりしているわ。
シャヒン
なるほど!ぼくにもできることがいろいろあるとわかりました。これからは、リデュース、リユース、リサイクルを意識して生活してみようと思います。