Tokyoらいふ
防災公園を知っていますか?
*この記事は、東京都国際交流委員会が運営していたウェブサイトに掲載したものです。
留学生のルチアーノさんが朝の公園でジョギングをしていると、向こうからご近所の真理恵さんがやって来ました。

真理恵
ルチアーノさん、おはよう!年が明けてから顔を合わせるのは初めてね。今年もどうぞよろしく。新しい年がいい1年になるといいわね。
ルチアーノ
本当に!今年は大きな災害が少ない年になることを願っています。
真理恵
昨年は、日本でもルチアーノさんの母国イタリアでも、大きな地震が相次いだものね。
ルチアーノ
この間、真理恵さんのお父さんに言われました。東京周辺でもいつ大きな地震が起きるかわからないから、日頃からしっかり備えておくように、って。
真理恵
消防士の父らしいアドバイスだわ。ところでルチアーノさん、この公園にも、災害が起きた時に役立ついろいろな設備が整備されているのだけれど、わかるかしら?
ルチアーノ
うーん、どこだろう?
真理恵
例えばこのベンチ、座る部分を外すと「かまど」になるの。ここで火をおこして、炊き出しができるように設計されているのよ。
ルチアーノ
これはいいですね!特に今みたいな寒い季節、避難したときに温かい食事を食べられたらほっとすると思います。
真理恵
それから、このマンホールを見て。これはフタを外して便座やテントを設置するとトイレとして利用できる「災害対応トイレ」なの。そしてあそこに立っているのは、ソーラーパネル付きの公園灯よ。
ルチアーノ
なるほど、水や電気が止まったときのことを想定しているんですね。ところで、向こうにある日除け棚みたいなものは何ですか。支柱と屋根の枠組しかないけれど…。
真理恵
あれは防災パーゴラというのよ。災害時にテントをかけて、ケガ人の救護スペースや指揮本部として利用するの。
ルチアーノ
この公園には、防災・減災のためのいろいろなアイデアが取り入れられているんですね。驚きました。
真理恵さんは、公園全体をぐるっと指差します。
真理恵
ここは「防災公園」と呼ばれる公園のひとつなのよ。防災公園は、ふだんは普通の公園としてみんなの憩いの場になっているけれど、災害が起きたときにはその広さを活かして、「広域避難場所」となったり、警察・消防・自衛隊が救出救助活動を行う「活動拠点」として活用されるの。
ルチアーノ
毎朝この公園をジョギングしているのに、そんなこと、まったく知りませんでした。
真理恵
地域の避難所のことは知っていても、防災公園のことを知っている人は少ないかもね。都内にある防災公園では、それぞれの地域と連携して、防災訓練や防災イベントなど、さまざまな催しを行っているのよ。ぜひ、たくさんの人に近くの防災公園に足を運んでみてほしいわ。
ルチアーノ
実際に災害が起きたとき防災公園を効果的に活用するためには、どんな設備があるのかを知っておくことと、それを実際にどう使うかを体験しておくことが大切ですよね。かまどベンチを使った火おこしやマンホールトイレの設置を僕も体験してみたいな。
真理恵
今度そういう企画があったら、必ずルチアーノさんに声をかけるわ。
ルチアーノ
ありがとうございます!よろしくお願いします。
■公益財団法人東京都公園協会「公園へ行こう!」 防災公園を知ろう
https://www.tokyo-park.or.jp/special/bousai/index.html
https://www.tokyo-park.or.jp/special/bousai/index.html