Tokyoらいふ
風呂敷を使ってみよう!
*この記事は、東京都国際交流委員会が運営していたウェブサイトに掲載したものです。
ホームステイをしている留学生のジェイミーさん。ある日、ホストマザーの喜代美さんを知人の利香さんが訪ねてきました。どうやら、お歳暮を持ってきたようです。

利香
今年も大変お世話になりました。心ばかりの品ですが、お礼の気持ちです。喜代美さんが好きなワインをお持ちしました。どうぞお納めください。
喜代美
ご丁寧に、どうもありがとう。
ジェイミー
きれいに包んでありますね!それは風呂敷ですよね?
利香
ええ、そうよ。本当は、包みをほどいて贈り物だけを渡すのがマナーなのだけれど、今日は風呂敷もラッピングとして楽しんでもらえたらと思ったの。
喜代美
きれいに包んであるわ。風呂敷の色も柄も素敵。さすが利香さんね。
ジェイミー
こんなにうまく瓶を包むことができるなんて、器用だなぁ。持ち手までついている!
利香
やり方を覚えれば簡単よ。この持ち手の部分は、瓶を包み込んだ後に、風呂敷の端と端をねじり、輪を作って結んだだけ。
ジェイミー
よく考えてあるなぁ。布で物を包む文化は世界中にあるけれど、日本の風呂敷は包み方のバリエーションが豊富なようですね。
喜代美
そうね、四角い箱を包むのにもいくつかのやり方があるし、入れたい物に合わせていろいろな形のバッグにすることもできるしね。
利香
最近はデザインや色も豊富だから、私は使い道や気分に合わせて風呂敷を選んでいるわ。着物を着たときには伝統的な和柄の風呂敷を、ヨガマットを持ち運ぶのにはモダンでカラフルな風呂敷を、といったふうにね。
ジェイミー
利香さん、何かひとつ、包み方を教えてもらえますか?
利香
もちろんよ。ペットボトルを使ってやってみましょう。
利香さんは、風呂敷で持ち手のついたペットボトルホルダーを作って見せます。
ジェイミー
へえ、これなら凍らせたペットボトルでも水滴が落ちなくていいな!それに、用が済んだら小さくたたんでしまえるのも風呂敷の魅力ですよね。
喜代美
ええ、とても便利なものなのに、すっかり使う人が少なくなってしまって残念だわ。
利香
あら、でも、風呂敷は今また見直されていると思うわ。包む、結ぶ、敷く、覆う。さまざまなやり方で、日々の暮らしの中におしゃれに取り入れている人たちがいますよ。そうそう、風呂敷は災害時にも役に立つんですよ。
ジェイミー
災害時に?
利香
風呂敷は丈夫な布で作られているでしょう?だから、いざという時に、防災頭巾やマスク、包帯などとして活用することができるの。
ジェイミー
なるほど、いつもバックに1枚入れて持ち歩いているといいですね。今日改めて、1枚の布が幅広い用途に使える風呂敷の良さを知りました。
喜代美
ジェイミーさんがそう言ってくれると、なんだか嬉しいわ。
ジェイミー
実は、以前イギリスで、包装紙を省略してゴミを減らすために「クリスマスプレゼントを風呂敷で包んで渡そう」というキャンペーンが行われたことがあるんです。ぼくはそのとき、包装が過剰気味ということで知られる日本に、風呂敷のようなエコな文化があることを意外に感じました。
利香
確かにね。日本人こそ、もっともっと風呂敷を活用するといいんだけれど。
ジェイミー
今年のクリスマスは、ぼくも風呂敷を使ったギフトラッピングに挑戦して、家族や友人に贈ってみようと思います!
喜代美
それはいいわね!ぜひ、たくさんの人に風呂敷の魅力を伝えてね。