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やさしい日本語ツーリズム研究会 やさしい日本語ラップ「やさしい せかい」

「やさしい日本語」をテーマにしたミュージック・ビデオ「やさしい せかい」がYouTubeで公開されました。ラップで「やさしい日本語」の活用を呼びかけるという、斬新なアプローチのこのビデオ。学ぶという感覚ではなく、自然に楽しく「やさしい日本語」の世界に触れることができます。

注目してほしいのは、その歌詞です。日本人はその難しさに気づきにくいオノマトペを取り上げるなど、日本語を学んでいる外国人の視点から書かれています。そのために、ビデオ中のラップ歌詞以外に、YouTube上でやさしい日本語の字幕をつけられるようになっています。たとえば、「キラキラ瞳、ギラギラ目つき、点々ついたら まるで別の意味」。ここに「この言葉の発音はとても似ています。でもちょっと違うだけで意味は全然違います」と、解説がつき理解することができます。
そして日本語の難しさだけでなく、外国人が日本で暮らす中での壁や視覚・聴覚障害者の思いをラップ調に歌っています。また言葉だけでなく、違いを認め合う心についても歌っています。

この動画は、「やさしい日本語ツーリズム研究会」が明治大学国際日本学部の山脇啓造ゼミナールと協力して制作しました。山脇ゼミの学生が中心となって歌詞を考え、歌っています。撮影場所は明治大学中野キャンパスです。参加したシリア出身の学生が「世界は広く、いろいろな人がいます。お互いにやさしい気持ちを持って支え合うことは、平和な世界をつくるためにとても大切です。この曲が世界中の方に届くことを願っています」とコメントするなど、若者たちの心にも響いています。

「やさしい日本語」の歌詞を日本手話に訳して手話をラップで演じたビデオも公開されています。また、「やさしい日本語」に賛同する人は誰でも、この楽曲に自由に歌詞をつけて、歌った動画を公開することができます。ビデオ制作を後援した国際交流基金では、山脇ゼミと協働し、世界の日本語学習者による替え歌動画コンテストを開催する予定だそうです。やさしい日本語ラップという新たな試みが、「やさしい日本語」の広がりを加速していきます。
ミュージック・ビデオ「やさしい せかい」のメイキング・ビデオも公開されました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZhK75Ghk2jY