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多文化キッズサロン「うぇるかむ」 ~市内に増える外国ルーツの子どもたちが自由に遊び、学べる居場所・多文化キッズサロン~

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多文化キッズサロン「うぇるかむ」責任者・守時美結さん

福生市は、都内市部では外国人比率が最多の町として、以前から日本人住民と外国人住民が共生してきました。近年はさらにその数が増え、外国にルーツを持つ子どもたちも増加しています。そうした子どもたちに向けた学習支援や相談会を行っているのが、多文化キッズサロン「うぇるかむ」です。武蔵野台児童館の館長で、多文化キッズサロン「うぇるかむ」の責任者を務める守時美結さんにお話を伺いました。

 

 

増加する外国ルーツの子どもたちを見守る、多文化キッズサロン

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児童館の2階に空き部屋 (べや) ができ、多文化キッズサロンが設置されることになりました。

多文化キッズサロン「うぇるかむ」は、2025年4月、武蔵野台児童館の一角に誕生しました。
外国にルーツを持つ子どもたちを対象に、毎週日曜日、日本語の学習支援や遊び場の提供を通して地域の居場所づくりを行っています。運営に携わっているのは、児童館・学童の職員と、地域のボランティアの約20名です。
「児童館には日々、日本人の子どもたちとともに、多くの外国ルーツの子どもたちが訪れています。福生市は外国人比率が高く、福生市で生まれ育った私は、幼少期、日本人と外国人を分けて考えることがありませんでした。当たり前に、多文化共生の環境があったんです。高校生になった頃、福生市は日本のほかの地域とは環境が違うのだなと初めて知りました。」と、守時さん。

福生市では年々さらに外国ルーツの人々が増える一方で、外国ルーツの子どもたちを支援する場所が市内にほとんどないという課題がありました。そこで武蔵野台児童館の2階に新設されたのが、多文化キッズサロン「うぇるかむ」です。
「“うぇるかむ”という名前は子どもたちに決めてもらいました。子どもたちにアイデアを出してもらい、児童館や各学校での投票の結果、決定したんです。子どもたちのために作る場なので、みんなの意見を聞いて決めたいね、と話していたんです」。

一対一の学習サポートで、子どもたちの難しさに寄り添う

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漢字やカタカナを勉強したり、掛け算を日本語で覚える練習をしたりしています。
写真提供:うぇるかむ

キッズサロンの立ち上げは、市と連携しながら準備を進めたといいます。
「都内の他のキッズサロンにも見学に行かせていただき、やり方などを教えてもらいました。長くやっているところが多いようですが、ここはまだまだ手探りの部分があります」と、守時さん。

キッズサロンの活動の軸となっているのが、日本語の学習支援です。
「日本語を喋ること自体はスムーズにできる子が多いため、困っている様子が見えにくいですが、実際には日本語の読み書きに苦戦している子が多いことが分かりました。例えば算数でも学年が上がると日本語の文章読解力が必要とされます。学校では“勉強ができない子”だと思われてしまっているようですが、実際は日本語の部分で難しさを感じている子が多いようです」と、守時さん。

「うぇるかむ」では基本的にはスタッフが一対一で子どもたちの学習をサポートします。現在は小学校3〜4年生の子どもたちが中心ですが、日本語の試験を受けるために子どもと一緒に勉強する保護者もいるそうです。
学習時間は15〜17時までの2時間ですが、以前は集中が続かない子も多くいたといいます。休憩時間を一斉に取ってメリハリをつける、集中力が切れた子は別のスペースに一旦移動するなど工夫が行われ、子どもたちも少しずつ集中できる時間が長くなってきたそうです。

参加登録などは特になく、いつでも自由に子どもたちが出入りできます。そのため、子どもたちが楽しみながら継続的に通ってくれるよう、貯まるとカプセルトイで遊べる特典付きのスタンプカードを実施しているといいます。

勉強の前には一緒に楽しい時間を

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「福生かるた」は学童クラブや学校、保育所などに配布されています。

学習サポートの時間の前には「遊びの時間」を設けています。廃材を使った工作や、体育館でのドッジボールなどを楽しみます。折り紙や七夕の短冊作りなど、日本の文化を体験する時間もあります。
「子どもたちやボランティアが集まりやすい日曜日に開室 (かいしつ) していますが、せっかく休みの日に集まってもらうので、なるべく一緒に楽しいことができるよう工夫しています」と、守時さん。

子どもたちから特に人気なのが「福生かるた」です。市の50周年記念事業として作られたオリジナルかるたで、福生の名所や歴史について、子どもたちが描いたイラストと共に学ぶことができます。
「学校でもよく遊んでいるようで、みんなかるたを取るのが早いんです。自分の学校や、身近なものが出てきたりして、楽しいみたいですね」。
最初の頃は遊びの時間が終わってもなかなか勉強に移ることができない子もいたそうですが、時間になったら勉強する習慣が段々とついてきました。

地域のために何かしたい、という市民ボランティアの参加も積極的です。先日の児童館のお祭りではベトナム人のボランティアスタッフがベトナムの民族衣装アオザイを持参し、民族衣装体験のブースを出展しました。ノンラーという帽子の (かぶ) り方を教わったり、ポーズを取って撮影をしたりして盛り上がりました。「今後は夏祭りに浴衣で行けたらいいねと話しています」と、守時さん。

子どもたちのニーズに合わせた、入学サポートや宿題サポート

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入学時に用意するものは、赤鉛筆や青鉛筆、鉛筆の芯の太さなど、細かい規定が学校ごとに違います。
写真提供:うぇるかむ

キッズサロンでは子どもたちの小学校入学サポートも行っています。日本の小学校では入学前に授業で使う文具などを用意する必要がありますが、同じ市内でも学校によって用意するものが違います。そこで「うぇるかむ」は市内の7つの学校で必要なものをそれぞれ購入し、展示するとともに、購入できる店舗のリストを作成し、持ち物に名前を書く手伝いもしたそうです。
前回 (ぜんかい) はここ武蔵野台児童館だけで行いましたが、ここから距離が離れている学校もあります。市内には3つの児童館があるので、各児童館で1回ずつ開催できるようにしていきたいです」と、守時さんは話します。

 

また、長期休みには小学生から高校生までを対象に、宿題のドリルや作文をスタッフがサポートする宿題サポートを実施しています。市内の日本語学校の先生たちの協力の (もと) 、4日間 (かかん) でたくさんの子どもたちを受け入れました。「宿題に困っているのは子どもだけではありません。保護者の皆さんも、子どもに勉強を教えたい気持ちがあっても日本語が分からなかったり、解き方が国によって違ったりして教えるのに苦戦されているようなので、ここで少しでも宿題を終わらせてもらって、家での負担を減らせたらと思います」と、守時さん。

そのほかにも育児や日本語での生活の悩み、進学についての保護者からの相談にもスタッフが親身に対応しており、「うぇるかむ」は子どもだけでなく、 (おや) 世代にとっても大切な居場所となっています。

もっと多くの子どもたちにサポートを届けられるように

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活動について語る守時さん。守時さんは福生で生まれ育ち、様々な国にルーツを持つ人々と暮らしてきました。

2026年4月で発足から一年を迎えた「うぇるかむ」は、活動を広げるため、アイデアを出し合いながらSNSでの発信活動も行っています。
「今は市内でここ一か所の運営ですが、今後は活動拠点を増やしていけるといいですね。そうすれば、遠くて通えない子どもたちにもサポートを届けられます。市全体のチャレンジとして、今後さらに協力者を増やしていきたいです」と、守時さんは今後の展望を語ります。

最近は継続的に足を運ぶ子もいる一方、新しい子たちと繋がる難しさを感じているといいます。
「近くの学校の日本語学級にお子さんを繋いでもらうなど、少しずつ周囲と連携を始めているところです。児童館には来ていてもここにはまだ繋がっていない子もいるので、そういう子たちを今後どうやって巻き込んでいくか、というのが課題だなと思います」と、守時さん。

この場所への想いを、守時さんは次のように話します。
「子どもたちにとって大事な場を作ることはもちろん、学校でほかの友達と交流が増えたり、授業が受けやすくなったりするような支援をしたいと考えています。まだまだ模索中の部分もありますが、子どもたちが楽しみながら遊び、学べる居場所にしていきたいです」。

子どもたちを温かく迎える「うぇるかむ」の輪は、福生市内で少しずつ広がっています。

 

*本記事は取材時点での情報をもとに作成しています。最新の情報については、団体へ直接お問い合わせください。