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iroToriDori ~色とりどりなご近所さんたちと、出会い、助け合う場を作る~

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iroToriDori代表の白井美典 (みのり) さん。iroToriDoriの活動の拠点にもなっている「ilona(イローナ)おやこの縁側」の前で。
手作りの縁側や、土遊びもできる畑がある、木造2階建ての一軒家です。

荒川区に20か所以上ある子育て交流サロンの一つ、「ilonaおやこの縁側 子育て交流サロン」の運営を担っている団体、iroToriDori。地域の色とりどりな人たちのつながりを育てたいという目標の (もと) 、多文化・多世代の交流の場である「多言語パーク」や、大豆の栽培から収穫、味噌づくりをする「下町荒川 おひさま根っこワーク」の活動なども展開しています。精力的に活動する、代表の白井美典 (みのり) さんにお話を伺いました。

 

色とりどりな人たちが集う場から進める、地域づくり

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「みんなのお (うち) ilona」は、iroToridori含め4団体の活動拠点となっています。名前は、住所の16番7号の番地にちなんで「いろんな人たちが集う場に」という願いが込められています。
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色とりどりな人たちが集まる地域をイメージした、iroToriDoriのメインビジュアル。
写真提供:iroToriDori

子育て交流サロンを起点に、色とりどりで多様な人たちと共に暮らす地域づくりを目指す、iroToriDori。代表の白井さんを筆頭とする子育て世代の仲間たちが、子育て交流サロン、多言語パークの運営や、地域のネットワークへの参加を通じて、街の人たちを応援し合う活動を模索しています。 活動の原点は、2015年の「多言語パーク」の設立でした。
「荒川区にはたくさんの外国人が住んでいて、道ですれ違うときに困っていそうな人がいて気になっても、勇気が出なかったり、言葉が壁になったりしていました。普段から多国籍の人たちと交流する場にいれば、言葉がわからなくても声がかけられるかもしれない、言葉の壁を越えて助け合う環境をつくりたいと思ったんです」と白井さん。

思いがあっても、なかなか最初の一歩が踏み出せないことは誰にでもありますが、白井さんはふと思い立ち、区役所に相談に行ったといいます。
「特に何も準備せずに行ってしまったんですが、やりたいと考えていたことを話すと、職員の方から『そういう (かた) を待っていたんです!』と言われました」。
そこから荒川区社会福祉協議会のサポートのもと、区の公共施設や助成金などを紹介され、とんとん拍子に団体の活動が開始。チラシを作って児童館で配っている際に出会った現在の副代表の氏家さんと、さまざまな国や地域の親子が交流する「多言語パーク」を立ち上げ、2015年に活動がスタートします。

いつでも好きな時間に来ることができる場を、地域につくりたい

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多言語パークで、ビンゴゲームを楽しむ子どもたち。
写真提供:iroToriDori

「多言語パーク」は当初、0才から年少の子どもと親が集まり、月に2~4回開催していました。日本語を共通言語に、歌や読み聞かせを通して、多様な言語に触れる活動を実施。アジアを中心にさまざまな国籍の親子が参加してくれていましたが、続けていくことで様々な課題や、多言語パークとしての限界が見えてきたといいます。
「粗大ごみの捨て方をはじめとする生活の相談から、保育所の入所方法や就職活動の仕方の相談など、外国人が日本で子育てしながら生活する難しさを感じました。また、子育て中の親子が定期的に集まるのは大変です。誰もが気軽に立ち寄れて、いつでも相談できる、子育てを応援する場を地域に作るべきではないかと思ったんです」と、白井さん。そこから活動の模索を始め、悩んでいたときに、社会福祉協議会の職員から、区内の0歳から 3歳以下の乳幼児とその保護者を主な対象とした、子育て交流サロンの開設を提案されたといいます。
「2019年に子育て交流サロンilonaおやこの縁側をオープンする際に、多言語パークも含めた活動全体を包括する運営団体として、名称をiroToriDoriに変更しました。近所に住む色とりどりの人たちが、多文化、多世代、障がいの有無に関係なく、尊重し支えあう環境で、地域の子どもたちに育ってもらいたいんです」と、白井さん。『楽しみながら、お互いを知り、尊重し、共に楽しく暮らす姿を子どもたちへ』というミッションの (もと) 、活動はさらに広がっています。

思いは公平に、対応は人それぞれに、目指すのは楽しい気持ちの循環

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子どもの手形や足形をとって鯉のぼりにしたり、クリスマスリースにします。子どもが楽しめるアートにしています。
写真提供:iroToriDori
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写真提供:iroToriDori

ilonaおやこの縁側は通常、月曜~金曜の9時~15時にオープンしており、それ以降の時間で一時預かりに対応しているほか、不定期で多言語パークやイベントの開催があります。
「思いは公平に、対応は人それぞれに、ということをメンバーで共有しています。一人ひとり状況は違っていて、同じ人でも日によって違います。そのときその人に必要なことを臨機応変にしていくことを大事にしています。スタッフというよりは、地域の仲間、近所のおばさんみたいな感じでいたいね、とメンバーで話しています」というように、親子が楽しく参加できるよう、工夫しているそうです。

大人気のイベントが五感遊びで、アートや音楽を通して子どもが五感を使って楽しむことができます。例えば楽器を自由に触ることができる、バイオリンやチェロの演奏体験などは特に人気です。都会ではあまりできない泥遊び・土遊びも子どもたちからは大人気です。
活動するうえで大切にしていることを聞くと、「一人ひとりを大事に、笑顔で迎えること。そして、その場にいるみんなが楽しいと思える場を作ることです。来た人に“来てよかった”と思ってもらえることを大切にしているとともに、その“楽しい”という気持ちを循環させていけたらと思うんです」と、白井さん。それはすべての活動に共通する理念で、メンバーの中でも共有されています。

一人ひとりの得意分野を生かし、「やってみたい!」を応援し合う

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縁側の前にある畑で、大根の種まきをしています。その横で子どもが、 (つち) の上を歩いたり遊んだりすることができます。
写真提供:iroToriDori

拠点ができたことで、iroToriDoriの活動はさらに広がっています。大豆の栽培を通じて地域の人々がつながるプロジェクト「下町荒川おひさま根っこワーク(通称:おひ根っこ)」は白井さんが共同代表を務めており、iroToriDoriの仲間も一緒に荒川区全域で活動。副代表の氏家さんは、2017年に発達に障がいのある子どもたちと保護者で作る「凸凹 (でこぼこ) の子と一緒に育つ会『ひだまり』」を設立。2か月に1回ほど保護者のための「かたる場」を開催しており、人手が足りないときはiroToriDoriの仲間も手伝います。そのほかにも、さまざまな構想が広がっているといいます。
「ここはそれぞれの“やってみたい”を応援する場でもあります。一人ではできないことも、みんなならできるかもしれない。一人ひとりの挑戦は、これからも大事にしたいです。発足から数年経ち、今では代表がすべてを仕切るのではなく、スタッフが自らイベントなどを発案して組み立てています。みんなが主体的にかかわる場になることを目指しています」と、白井さん。

知り合いが増えることで、地域で安心して暮らしていける

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おひ根っこで作っている「下町荒川みんなの味噌」。それぞれに育てた大豆が集まってきて、それをさらに選別して味噌にします。
写真提供:iroToriDori
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写真提供:iroToriDori

「私自身、結婚してから荒川区に移り住んだので、この地域に子育てをする仲間はいませんでした。活動をする中で、地域に知り合いが増え、自分の人生が豊かになっていることを実感しています。地域に知り合いがいると、安心して暮らしていけますよね。子育て交流サロンだけだと、保育園や幼稚園に入った途端に地域のかかわりが途絶えてしまう人がいますが、おひ根っこをはじめとした他の活動を通して、世代や役職、国籍を超えて地域とつながり続ける、人と人とをつなぐ窓口になれたらいいなと思っています」と、白井さん。

おひ根っこでは、各家庭や施設、企業、学校、商店などで種から育てた大豆を集めて味噌を作り、その味噌でご飯を食べて交流する活動をしています。大豆を育てることから気軽に参加できるほか、地域のお店で味噌を買うこともできます。実際に、味噌を買った (かた) から連絡をもらうこともあるといい、あまり地域とかかわりのない人たちにも、地域のつながりを感じてもらえる活動になっています。
「活動当初から思いは変わらないんですが、そのときどきで活動形態や対象を模索しながら展開してきました。これまでの活動で、色とりどりな人たちとのつながりができて、私自身の世界も広がっています。ちょっと知っている、が仲間になることで、お互いに理解が深まるとともに許し合える部分が広がりますよね。そうやって地域の仲間を増やしていくことで、いざという時に助け合える関係を地域でつくっていきたいんです」と、白井さん。

iroToriDoriの活動を通じてご近所の色とりどりな人たちがつながることで、世代や文化、障がいの有無や国籍を超えて、共に暮らし、助け合える社会に一歩ずつ近づいているのではないでしょうか。

 

*本記事は取材時点での情報をもとに作成しています。最新の情報については、団体へ直接お問い合わせください。