地域日本語教室
vol.24 JCA 千歳船橋 (世田谷区)
東京都つながり創生財団の地域日本語教育コーディネーターが、都内の日本語教室を訪問し、「日本語教室活動レポート」でご紹介します。
(今回は地域日本語教育コーディネーターの訪問に同行した職員が記事を担当します)
第24弾は、JCA 千歳船橋 (世田谷区)です。
世田谷区とは
世田谷区は東京23区の南西部に位置し、23区の中で最も人口の多い自治体です。住宅地として人気があり、小田急線や京王線、東急線など交通網も充実しています。一方で、砧公園や駒沢オリンピック公園など豊かな緑にも恵まれています。区内には多くの外国人住民が暮らしており、留学生や会社員、家族滞在者などその背景はさまざまです。こうした多様な人々の地域での生活や住民同士のコミュニケーションを支えるため、日本語教室や国際交流活動が区内で行われています。
人口 (令和8年9月1日現在) 931,655人
うち外国人人口 31,907人
JCA 千歳船橋 (世田谷区)
JCA(Japan Culture Association)は1983年に設立された日本語学習支援ボランティア団体です。地域で暮らす外国人の日本語学習を支援するとともに、交流を通して互いの文化や生活への理解を深めることを目的として活動しています。
JCA千歳船橋では月曜日から金曜日まで7つの教室が活動しており、それぞれの教室において2~3名のクラス委員が主体的に運営を行っています。支援者と学習者がともに約150名活動していて、基本的にはマンツーマン形式で、一人ひとりに寄り添った学習支援を行っています。

マンツーマンで漢字について学習
月曜クラスを訪問して
今回訪問したのは、梅が丘にある北沢ボランティアビューローで活動しているJCA千歳船橋月曜クラスです。
教室には様々な国や地域にルーツを持つ学習者が集まっていました。普段は仕事で日本語を使わない会社員、日本語能力試験の受験を目指す人、会話の練習がしたい留学生など、学習の目的は一人ひとり異なります。なかには日本語をほとんど学んだ経験のない学習者もいるとのことです。

教室風景
月曜クラスでは、決まったカリキュラムに沿って進めるのではなく、学習者それぞれの希望や課題に合わせて学習内容を組み立てています。教材を使って学ぶ人もいれば、会話をしに来ている人、仕事や学校などから持参した資料を読みながら学ぶ人もいます。同じ教室の中でも様々な学び方が行われており、基本的に支援者と学習者がマンツーマンで向き合いながら、それぞれに合った学習を進めていました。
教室全体に共通していたのは、「学習者が何を学びたいのか」を大切にする姿勢です。支援者が教える内容を決めるのではなく、学習者の関心や生活の中で必要としていることに寄り添いながら学習を進めている様子が印象的でした。

学習者が持ってきた教材を使って楽しく学んでいます
学習者に寄り添い、色々な教え方を実践できる楽しさ
2026年度代表の鹿島さんは、JCAの活動の魅力として「学習者に寄り添い、一緒に学べること」を挙げます。学習者の背景や来日の経緯、日本語を学ぶ目的は実に様々で、それぞれに合った支援方法を支援者自身も学びながら考えることが大切だと言います。
「学習者によって学びたいことも学び方も違います。教科書以外の教材を持ってきて学びたい方もいます。だからこそ、形式にとらわれず、その人に合った学習方法を一緒に考えられるのがこの活動の面白さです」と話してくださいました。
JCA千歳船橋ホームページ
https://jca-chitosefunabashi.jimdoweb.com/
訪れてみて・・・
教室全体から感じられたのは、「アットホーム」という言葉がぴったりの温かさと会話の多さでした。学習者と支援者が自然な会話を楽しみながら様々な教材を使って学習を進めており、互いに学び合う関係が築かれているようでした。
40年以上にわたり地域の日本語学習支援を続けてきたJCAは、ボランティアが順番に代表を務める公平な仕組みにより運営ができているそうです。今回の訪問を通じて、学習者の現状に寄り添った学び方ができることの大切さを実感しただけでなく、学習者と支援者が一緒に成長できる環境が重要であると感じました。
by HM