地域日本語教室

vol.22 東村山日本語ボランティアの会 そらいろのたね (東村山市)

東京都つながり創生財団の地域日本語教育コーディネーターが、都内の日本語教室を訪問し、「日本語教室活動レポート」でご紹介します。

 

22 (だん) は、東村山日本語ボランティアの会 そらいろのたね (東村山市)です。

 

東村山市とは

東村山市は東京の北西部に位置し、北は埼玉県所沢市と接しています。市内には私鉄西武各線とJR武蔵野線が縦横に走り、中央には新青梅街道と府中街道が交差する緑豊かな都市です。

 

人口 (令和8年3月1日現在)    151,933 (にん)

    うち外国人人口                        4,674 (にん)

 

東村山日本語ボランティアの会 そらいろのたね

  平成7年6月、東村山日本語ボランティアの会は発足しました。発足の2年前、平成5年秋に公民館で開かれた市民講座「日本語を教えるボランティア育成講座」を受講した方の中から有志が集まり、会が立ち上がりました。

  会の「15周年記念誌」に、当時の様子が記されているのですが、市で初めて開催された「日本語を教えるボランティア育成講座」は定員30名のところ、102名の方から応募がありました。ただ、応募者は「外国人との英会話を目指していた」ということだったため、講座終了 () に、日本語を教えるサークルの立ち上げを呼び掛けても、3名しか集まらず、その時は計画がとん挫してしまいました。その後、2年を経て、思いを持ち続けた (かたたち) の力により「そらいろのたね」が立ち上がったというストーリーがあります。

その後も、地道に活動を続け、昨年、会の立ち上げから30周年という節目を迎えました。今回、取材に伺った際、立ち上げ当初から活動を続けている支援者の服部さんにも、お会いすることができました。

服部さんに30年間もボランティアを続けられる秘訣を伺ったところ、「皆さんの人柄が良くて、その人らしく活動できる会だから」と教えていただきました。

 

そらいろのたね画像

 

 

 

ボランティア活動

現在のコーディネーターの小林さんは、そらいろのたねの活動を始めて20年になります。最初の10年は悩むことも多かったとお聞きしました。ボランティアとしての姿勢に悩んだとのことでしたが、今は悩んでも仕方ないから、良いと思ったことはとにかくやってみようという心持ちで活動しているそうです。

 

現在は、会の発足時のような支援者を養成する講座は開催されておらず、支援者は希望者を随時受け入れています。小林さんに日本語教室の活動についてお聞きすると、「ボランティアは2~3年活動してみないと、楽しさも難しさもわからないと思う。何となく“かっこいい”から、“楽だから”という気持ちでできる活動ではないので、中途半端にならないよう、ボランティアとしての責任感を持って取り組むことが大切」とおっしゃっていました。

 

日本語教室風景画像

 

 

 

そらいろのたねの活動

そらいろのたねの支援者の一人である北村さんは、長く日本語学校で日本語教師をしていました。その経験から、支援者の皆さんには、学習者の発話を「最後まで聴くこと」「決して遮らないこと」というモットーが、何度も伝えられています。そのため、学習者はそれぞれ日本語の教科書を使用して学習していますが、教科書を読んだり、文字を書いたりすることに集中することはなく、学習者が積極的に発話していました。

 こういったアドバイス等は、教室が始まる前に支援者が集まった場で話しています。そこでは、北村さんからのアドバイスだけでなく、活動の中での悩みなどを支援者で共有し、支援者それぞれで抱え込まないようにしています。支援者の皆さんは口を揃えて「何でも言い合える関係」とおっしゃっていました。

 

集合写真

 

お話を伺った「そらいろのたね」の皆さん

服部さん(後列一番右)、小林さん(後列右から3番目)、北村さん( (ぜん) 列一番左)

 

 

人が変化することの面白さ

 小林さんから、日本語教室は、様々な個性の人が集まり、そして人が変わっていくことが面白いとお聞きしました。学習者がどんどん自信を持って日本語を話せるようになる変化だけでなく、支援者も学習者から影響を受けて変わっていくのを感じるそうです。

小林さん自身も、合気道の道場に通う学習者の影響を受け、同じ道場に通い始めました。また、最初は消極的に見えた支援者が、どんどん積極的な性格に変わったりして、想像もできない変化が日本語教室では起こるそうです。

 

日本語教室②

 

 

 

訪れてみて・・・

小林さんは「日本語教室は好きで楽しいからやっているだけで、公民館を利用しているフラワーアレンジメントやダンスのサークルと同じ。活動に特別意識を持つのは何か違う気がする。」とおっしゃっていました。他の支援者の方からも「学習者から教えてもらうことが多いから続けられる」、「会の皆さんの魅力に取りつかれたから辞められない」と明るくおっしゃっていました。

日本語ボランティア養成講座では、支援者に求められる姿勢を学ぶことがありますが、こちらの会では、皆さんと一緒に活動することで、自然とその姿勢を学ぶことができるように感じました。

私たちも学ぶことが多い取材になりました。

by AS