地域日本語教室
vol.20 にほんご・るんるん読書クラブ(板橋区)
東京都つながり創生財団の地域日本語教育コーディネーターが、都内の日本語教室を訪問し、「日本語教室活動レポート」でご紹介します。
第20弾は、にほんご・るんるん読書クラブ(板橋区)です。
板橋区とは
板橋区は東京都の北西部に位置し、荒川を挟んで埼玉県と隣接しています。都営三田線と東武東上線が区内を縦断するなど、区内外への移動手段が充実しています。
また、「共働き子育てしやすい街ランキング」「介護・高齢化対応度調査ランキング」といった全国的なランキングで上位に入るなど、暮らしやすい街として知られています。
人口 (令和7年10月1日現在) 583,618人
うち外国人人口 40,514人
喫茶店の日本語教室
「にほんご・るんるん読書クラブ」は、上板橋北口商店街にある「喫茶さかもと」という小さな喫茶店を会場に、店主の坂本さんが開催している日本語教室です。


にほんご・るんるん読書クラブの活動のながれ
取材した日、参加者は学習者5名、支援者は坂本さんを含んで2名で開催されました。
教室の活動は、まず、全員が1つのテーブルに集まり、紙芝居を見ることから始まります。

紙芝居を見た後、坂本さんが進行して、全員で感想などを共有して会話を広げます。この日は、「赤ずきんちゃんは、母国でも有名な話」「終わり方が、少し違う」といった話をしました。
次に、参加者は2つのテーブルに分かれて座りました。この日は、各テーブルで学習者2~3人、支援者1人というグループができました。
その後、学習者は、喫茶店のカウンターに並べられた日本語の多読の本の中から、各自で好きな本を選んで読み始めました。
読む際は、辞書は使わず、分からない言葉は飛ばしたり、支援者に聞いたりするというルールにしていて、本の内容を完璧に理解する必要はないと学習者に伝えているそうです。

読み終わったら、学習者は読んだ本の内容を短くまとめて、グループ内で発表します。それに対して、他の人から質問を受けたり、その本を話題にしたやり取りをしたりして、その学習者の番は終わりです。
そして、次の学習者の番になり、発表、質問、やり取りという流れを繰り返します。その間、支援者は進行や、学習者同士のやり取りの橋渡しをするといった役割をしていました。
最後、学習者は読書記録を書いて、この日の活動は終わりました。

「かぐや姫」を読んだ学習者の発表を聞いています。

読書記録には、読んだ本の名前と感想が書いてあります。
日本語の多読
教室を主催している坂本さんは、NPO法人多言語多読の活動に共鳴し日本語教室を始めました。教室で使用している本も、NPO法人多言語多読が執筆や監修した本です。
NPO法人多言語多読 団体紹介ページ
https://tabunka.tokyo-tsunagari.or.jp/organization/dantai/TADOKU.html
本は、日本語のレベル別に作成されていて、内容は有名な昔話や童話、短編の小説やエッセイ等、多岐にわたり、「にほんご・るんるん読書クラブ」でも150冊以上あるそうです。
その他にも、「喫茶さかもと」には大きな本棚があり、本好きの坂本さんが収集した本が並んでいます。
また、板橋区立図書館の取り組みである「小さな絵本館」※も設置されているため、絵本もたくさんあります。学習者の中には、多読の本ではなく、それらの本を選んで読む人もいるそうです。
※小さな絵本館
板橋区立図書館では、区内の施設や、おむつ替え・授乳ができる赤ちゃんの駅や店舗に「小さな絵本館」を設置しています。
板橋区立図書館「小さな絵本館」リンク
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/library/bologna/2000091.html
訪れてみて・・・
今回の訪問で、私は初めて多読の本を読みました。子どもの頃に読んだことのある童話は懐かしく感じたり、エッセイの内容に興味をそそられたりと、自然と会話が弾むことが想像できました。
「にほんご・るんるん読書クラブ」では支援者を募集しているそうですので、活動にご興味がある方(特に、ご近所の方)は、連絡を取ってみてはいかがでしょうか。
東京日本語教室サイト 「にほんご・るんるん読書クラブ」
https://nihongo.tokyo-tsunagari.or.jp/jp-class/200/
こちらのリンク先のメールフォームで、坂本さんへメールを送ることができます。
週に一回、近所の喫茶店に集まって、本について会話する時間がある生活は素敵だと思います。「喫茶店」と「日本語教室」の相性の良さを感じた取材でした。
by AS