研修・イベント

R7/9/24「もっと使おう!やさしい日本語研修」レポート

ちらし_「もっと使おう!やさしい日本語」研修

 

東京都つながり創生財団では、やさしい日本語のさらなる普及のため、さまざまな研修を行っています。

2025年 9月 24日(水曜日)に開催した「もっと使おう!やさしい日本語研修」では、新しく多文化共生担当になった (かた) や、やさしい日本語の活用にまだあまり自信がない (かたなどを対象に、やさしい日本語の変換をたくさん練習していただく機会をご提供しました。当日は、区市町村職員や社会福祉協議会・ボランティアセンター職員、国際交流協会や外国人支援団体の職員、学校関係者、一般企業職員、その他公的機関職員などさまざまな立場の方にご参加いただきました。

講師は 5月に開催した「はじめてのやさしい日本語研修」でも講師をご担当いただいた、kokohana やさしい日本語でつながる八王子の会さんから宮武さんと多田さんにお越しいただきました。また、外国人トークパートナーとしてシリア出身のハーレドさん、ミャンマー出身のナンさんもご参加くださいました。

 

※ご希望の声を多く頂いたことから、期間限定で本研修のアーカイブ配信を行っています。
ご希望の方はフォームよりお申し込みください。
【アーカイブ配信期間:2025年 9月 29日(月曜日)~ 11月 3日(月曜日・祝日)】

 

変換練習

やさしい日本語上達の道は実践あるのみ、研修内で参加者のみなさんには講師やトークパートナーと一緒にやさしい日本語の変換練習にたくさん取り組んでいただきました。参加者のみなさんがチャットに入れてくださった回答を見ながら、講師とトークパートナーからフィードバックをしていただきましたが、トークパートナーのお二人からは、日本語非母語話者ならではの視点で、たくさんの具体的なフィードバックをお聞きできました。
参加者のみなさんからのたくさんの回答の書き込みは、講師の宮武さんの目も追いつかないくらい……!みなさま積極的なご参加、ありがとうございました!
ページ下部に 研修で取り組んだ問題 の一部と回答例を掲載しているので、ぜひ考えてみてください。

 

質疑応答

研修の後半では、トークパートナーのお二人と講師の宮武さんに、参加者のみなさんからの質問にお答えいただきました。一部をご紹介します。

トークパートナーのお二人には、「やさしい日本語を見たり聞いたりする場面」や「見にくいフォント」「日本語が難しいと感じる場面」などについての質問が。

  • やさしい日本語を見たり聞いたりする場面 の話では、役所や銀行など、「外国人と接する機会の多い場所では、少しずつやさしい日本語を見聞きすることも増えている」と、お二人。一方で、携帯ショップは「予約したり難しいので、あまり行きたくない」とミャンマー出身のナンさん。ミャンマー出身のスタッフがいる店を探して行くことが多いそうです。

  • 見にくいフォント の話では、「デザイン性の強いフォントだと見にくい・翻訳機能で反応しないこともある」と、お二人。
    配布物にふりがな(ルビ)があると、かえって翻訳機能が使えないと聞いたことがあります。どうですか?」という参加者の方からの質問には、「翻訳が二重に出ることはあるけれど、漢字の読み方を知りたい場合もあるので、ふりがな(ルビ)はあった方がいい」と、シリア出身のハーレドさん。

  • 日本語が難しいと感じる場面 についての話では、「日本語の書類が難しい・多すぎる」「提出期限や支払期限など、重要な情報だけをまとめて書いてある資料があると、助かる」と、ナンさん。

 

そのほかの質問には、講師とトークパートナーのお二人に分担してお答えいただきました。一部をご紹介します。

  • 「どの程度相手が理解できているのか、どうやって確認すればいいですか?」
    ナンさん「普段技能実習生に日本語を教えていますが、色々説明したときに、わかりましたか?って聞くと『わかりました』と言うんですね。でもそれは信じちゃいけないと思っていて。何をわかったのか、その内容を言ってもらいます」
    ハーレドさん「50%くらいわかっていたら『わかりました』と答えますね」
    宮武さん「私も何か説明した後は、『これはいつまでに出しますか?』『次はどこに行きますか?』など、具体的に確認するようにしています」
    相手がどこまで理解できているのか、しっかり確認しながら話を進めることが大切そうです。

  • 「日本人がやさしい日本語を学ぶメリットをどう伝えればいいですか?」
    宮武さん「外国人のためのやさしい日本語、という (ふう) に伝えると共感を得られないこともあるので、私は気をつけています。役所や電車や避難所などは、いろんな人が利用します。外国人にわかりやすいということは日本人にもわかりやすいはずなので、効率的というメリットがあると思います」

  • 「やさしい日本語を実践、身に付けるためにどうすればいいですか?」
    宮武さん「外国人と話す機会がなければ、日本語教室や交流会に参加したり、日本語学校のイベントに行ったり、やり取りを見たり、実際にやさしい日本語を話したりして慣れることがいいと思います」

  • 「やさしい日本語がうまく使えなくてトラブルになったケースはありますか?」
    宮武さん「トラブルではないんですが、初めて会った外国人にやさしい日本語で話しかけて気まずい思いをしたことがあります。その方、教授で日本語がとても流暢な (かた) だったんですね。失敗しました。なので、最初は普通の日本語で話して、伝わらなければやさしい日本語で調整していくなど、使い分けるようにしています」

 

1時間という短い時間ではありましたが、変換練習と質疑応答を通してみなさんに何か気づきや学びを得ていただけていたら、担当一同嬉しく思います。

講師のkokohanaさん、トークパートナーのお二人、ご参加くださったみなさん、ありがとうございました!

by. MK

 

R7_もっと使おう!やさしい日本語研修集合写真
左から、シリア出身のハーレドさん、kokohanaの宮武さん、
ミャンマー出身のナンさん、kokohanaの多田さん

 

研修の中で取り組んだ問題(一部抜粋)

  • どのようなご用件ですか?
  • ご予約は…
  • お調べします。少々お時間いただいてもよろしいでしょうか。
  • お手元にお葉書はお持ちでしょうか。
  • ご本人様のご住所、連絡先、生年月日をお願いいたします。
  • 全てご記入いただきましたら、最後にご署名とご捺印をお願いいたします。
  • 就労資格はありますか?
  • QRコードを読み取っていただきますので、ご自身のスマホをご準備いただけますか。
  • 休館日:月曜日 ※月曜日が祝日の場合は開館し、翌日は休館します。

 

 

研修の中で取り組んだ問題の回答例(一部抜粋)

  • どのようなご用件ですか?
    ⇒どこに行きますか?なにをしますか?
  • ご予約は…
    ⇒予約はしましたか。
  • お調べします。少々お時間いただいてもよろしいでしょうか。
    ⇒少し待ってください。5分待ってください。
  • お手元にお葉書はお持ちでしょうか。
    ⇒これ(実物)、手紙、持っていますか?
  • ご本人様のご住所、連絡先、生年月日をお願いいたします。
    ⇒あなたの住んでいるところ、電話、誕生日(生まれた日)を書いてください。
  • 全てご記入いただきましたら、最後にご署名とご捺印をお願いいたします。
    ⇒全部書きましたか。ここに、名前を書いてください。ハンコはありますか?ここに押してください。
  • 就労資格はありますか?
    ⇒ビザ、なんですか?在留カードを見せてください。
  • QRコードを読み取っていただきますので、ご自身のスマホをご準備いただけますか。
    ⇒これを使います。携帯(スマホ/スマートフォン)ありますか。
  • 休館日:月曜日 ※月曜日が祝日の場合は開館し、翌日は休館します。
    ⇒月曜日が祝日(カレンダーの赤い日)のときは、休みが変わります。カレンダーを見てください。