令和6年度多文化共生中域ネットワーク 城東ブロック協働事業 「落語家らむ音ちゃんと学ぶ多文化共生とやさしい日本語セミナー ~やさしい日本語でもっと広がる地域の絆~」 開催レポート
令和7年3月15日に足立区勤労福祉会館 第2洋室にて、城東ブロック6区(台東区、墨田区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区)在住・在勤・在学の区民向けに多文化共生中域ネットワーク[i]協働事業「落語家らむ音ちゃんと学ぶ多文化共生とやさしい日本語セミナー」を開催しました。
はじめに、らむ音ちゃんから2席落語を披露していただきました。そのうちのひとつが、らむ音ちゃんの名刺代わりとなる日本語・英語・ポルトガル語の3言語「寿限無」です。皆がよく知る寿限無ですが、英語やポルトガル語を交えて聞くと、とてもリズミカルで違った落語に聞こえました。その後、参加者同士で感想を共有したところ、多くの参加者から躍動感に富む、らむ音ちゃんの落語に感銘を受けたとの声が聞かれました。
次に、らむ音ちゃんのライフラインチャート[ii]に沿って、幼少期から現在に至るまでの、さまざまな経験や思いを有田先生との対談形式でお話ししてもらいました。
日本語が分からず戸惑いの多かった幼少期のこと、日本語や日本の「当たり前」が分からず苦労した両親のこと、高校の先生に芸術への道を示してもらったこと、アメリカ留学をきっかけに演劇を始め、師匠と出会い、落語を始めたこと、コロナ禍に多言語落語を確立させていったこと…。らむ音ちゃんが発するエピソードに参加者の皆さんは熱心に耳を傾けてらっしゃいました。
最後は、有田先生から「やさしい日本語」の活用事例とコツを教えてもらいました。「やさしい日本語」という言葉を知っていても、実際に使うと戸惑ってしまうことが多いのですが、「やさしい日本語」が誕生した経緯や、具体的な例を挙げていただき、どのようにやさしい日本語へ変換するとよいかを示していただきました。
参加者の皆さんからは、「今まで何気なく使っていた言葉でも、外国人にはわからないことがあることが分かった」「話の内容が具体的で面白かった。日本語を少し言い変えるだけで、英語よりコミュニケーションが取れると知って面白かった」といった感想をいただきました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

らむ音ちゃんが落語を披露する様子

[i] 東京都の多文化共生の実現に向けて、近隣の区市で協力して取り組むことを目的としたネットワーク。
[ii] 過去の出来事とそれに対する感情を表したグラフ。横軸は時間、縦軸は満足度や幸福度を表す。