地域日本語教室

vol.12 八王子にほんごの会(八王子市)

東京都つながり創生財団の地域日本語教育コーディネーターが、都内の日本語教室を訪問し、「日本語教室活動レポート」でご紹介します。

 

第12弾は、八王子市の「八王子にほんごの会」です。

八王子市とは

八王子市は、都心にも自然にもアクセス抜群な市です。八王子駅は7路線の電車が利用でき、東京・新宿・横浜まで乗り換えなく行くことができます。通勤・通学で利用する人にとっては、複数路線の始発駅であることも魅力です。

市内には、大学や日本語学校が多く、外国人市民のうち留学生の割合が多いという特徴もあります。

人口 (令和6年6月末日現在)    560,520 (にん)

    うち外国人人口                   16,296 (にん)

 

八王子にほんごの会

八王子にほんごの会は1992年に活動を開始しました。現在は9つのグループをつくり、市内6か所で12教室を開催しています。
9つのグループの名前は「駅前日曜"寺子屋"」、「子ども支援"寺子屋"」、「北野"寺子屋"」・・・というように、それぞれ"寺子屋"と名付けられていて、親しみやすさがあります。
江戸時代の寺子屋のように、誰でも勉強できる場所を目指して名付けられたそうです。

 

9つのグループを合わせて、学習者と支援者がそれぞれ150 (にん) を超える、大所帯 (おおじょたい) の会です。
人数が多いだけでなく、年に一度、学習者によるスピーチコンテストも開催していたりと、皆さんが協力して活発に活動をしています。

 

私が訪問したのは「駅前金曜寺子屋」です。
八王子駅前のビル内にあるNPO法人八王子国際協会(地球市民プラザ八王子)の会議室を借りて、金曜日に開催しています。

 

 

写真①

学習者が学びたい教材を持参したり、支援者が教材を用意したりして、マンツーマン学習をします。
会では支援者の研修会があり、活動で得た知恵を共有しています。分からないことがあれば、分かる人が教えるというやり方で続けてきました。

 

写真②
写真③

 

夏休み期間 (きかん) に訪問したため、いつもより学習者は少ないということでしたが、猛暑の中、集まった皆さんは、本当に熱心に勉強していました。

 

 

写真④
(左)寺子屋長 古屋 (ふるや) さん   (右)代表 山中さん


八王子にほんごの会では、教室も多いため、支援者が不足しているそうです。
資格や経験がなくても支援者になることができますが、学習の支援だけでなく、会議や行事の役職を担当してもらう可能性があることはご理解いただきたいそうです。
こちらの教室は、まさに「生活者のための日本語教室」として、八王子近隣で生活している定住者を支えています。

 

八王子にほんごの会ホームページ
 https://nihongonokai.com/

 

ぜひ、ご興味のある (かた) はお問い合わせください。

 

八王子にほんごの会 お問い合わせフォーム

 https://nihongonokai.com/contactus/

 

 

訪れてみて・・・

学習者の中には、八王子市外に引っ越しても引き続き通う (かた) や、慣れない電車に苦労しながら遠方から通う (かた) など、学習者の近所にある教室ではなく、わざわざこの教室に通う (かた) も多いそうです。
八王子駅というアクセスしやすい場所で開催していることも大きな理由だとは思いますが、きっと、この教室の「居心地の良さ」が学習者にとって魅力になっているのだと思います。
"寺子屋"という名前のとおり、誰でも受け入れてもらえる温かい雰囲気の教室でした。

by AS