地域日本語教室

vol.11 ONIGIRI多言語クラブ(新宿区)

東京都つながり創生財団の地域日本語教育コーディネーターが、都内の日本語教室を訪問し、「日本語教室活動レポート」でご紹介します。

 

第11弾は、新宿区の「ONIGIRI 多言語クラブ」です。

新宿区とは

ご存知のとおり、新宿区は東京都内でもっとも賑やかなエリアの一つであり、商業、エンターテインメント、文化が集積する中心地です。外国籍人口比率が都内でもっとも高く、区内の人口の14%を占めています。
その中でも ONIGIRI 多言語クラブが活動している飯田橋は、交通の便 (べん) が良く、歴史と現代が融合するエリアです。文化施設や商業施設などが充実しているため多くの人々に親しまれています。

人口 (令和6年4月1日 (ついたち) 現在) 354,124人
うち外国人人口          43,691人

 

日本語教室「ONIGIRI 多言語クラブ」

「ONIGIRI 多言語クラブ」は、2022年に活動を始めた新しい日本語教室です。
JR 総武線 飯田橋駅の隣にある東京ボランティア・市民活動センターで活動しています。

 

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「ONIGIRI 多言語クラブ」は会話型の教室を目指しており、現在は、初級会話、中級会話、JLPT(日本語能力検定試験)対策の3つのグループを設けています。 グループを受け持つ支援者は約3か月ごとに、ローテーションで変わります。

 

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現在の初級会話グループは、大学生の支援者2名が担当しています。 プロジェクターを学習に取り入れることで、みんなが同じ画面を見て、一体感をもって学習に取り組んでいました。また、学習者同士で助け合いながら会話の練習をしている姿が印象的でした。
私が伺った日は、初級会話グループに入ることが難しい学習者もいて、初級会話グループに入ることを目指しマンツーマンで学習していました。 

 

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中級会話グループの学習は母語話者が話すスピードで行われており、学習者はメモを取りながら熱心に学習していました。

 

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JLPT 対策グループは、資格取得が第一の目的ではなく、学習者のモチベーション維持や学習の進捗管理として JLPT を活用する目的でつくられたグループです。 訪問した日は、試験前ということで模試が行われていました。
お話を伺った代表の (かた) によると、「ONIGIRI 多言語クラブ」では会話を重視した学習に力を入れていて、今後は支援者のスキルアップも目指しているとのことでした。支援者の (かた) も熱心な (かた) が多く、420時間日本語教師養成講座を受講した (かた) や、現在受講している (かた) も複数名いらっしゃるそうです。
どのレベルの学習者も熱心に学習していて、支援者の (かた) の熱意が学習者にも伝わることで、教室全体に良い循環が生まれている様子を伺うことができました。

 

訪れてみて・・・

代表の (かた) のお話によると、教室を立ち上げた当初からこのグループ分けにしていた訳ではなく、学習者の状況等に合わせてグループや教え方を変えてきたそうです。 ご自身で日本語教室を立ち上げる行動力も、立ち上げてからも試行錯誤しながら継続する力も素晴らしいと思いました。こうやって熱い思いをもった支援者の (かた) に地域の日本語教育が支えられているのだと感じました。


by MN