地域日本語教室
vol.10 かけはし(足立区)
東京都つながり創生財団の地域日本語教育コーディネーターが、都内の地域日本語教室を訪問し、「地域日本語教室活動レポート」でご紹介します。
第10弾は、足立区の「かけはし」です。
足立区とは
東京都の最北東に位置する足立区は、人気のある街としてランキングされることも多い「北千住」をはじめ、都心にありながら水と緑が豊かであり、「活気」と「癒し」のどちらも楽しめる豊かな街です。
人口 (令和6年4月1日現在) 694,725人
うち外国人人口 40,119人
日本語教室「かけはし」
「かけはし」は、1987年に活動を始めた日本語教室です。
東武スカイツリーライン梅島駅から徒歩3分の場所にある梅田地域学習センターの学習室で、開催しています。
現会長の方針で、会として組織立てた運営はせず、学習者・支援者の自主性に任せた活動をしているのが特徴です。
そのため、時間の過ごし方はグループによって異なり、私が訪問した日は、テキストを使って勉強している二人グループがいたり、お喋りをしている四人グループがあったりと、学習者と支援者で決めたそれぞれの過ごし方をしていました。


会長は「自分の役割は、場所を提供することだけ。各々、自分の考え方でやっていい。」「考え方が違うのが楽しい。会としての方針を決めたくない。」とおっしゃっていました。
運営委員会などを開催することはしていませんが、会の運営や花見・七夕等の企画は、授業後に自主的に残った支援者の方が相談して決めているそうです。
コロナ禍においても、会長の「とにかく続けていければいい。」とのお考えのもと、皆さんで状況に合わせた対応をすることで乗り切ったそうです。

もう一つ特徴的なのは、学習者と支援者が無料で保育を利用できることです。
梅田地域学習センターには「子ども室」という子ども用のフリースペースがあります。
区からの支援で、会には無料で保育士を派遣してもらえるため、学習者や支援者が活動中、子ども室で子どもを保育してもらうことができます。
子育て中であっても、学習もできるし、支援もできる環境なのがいいと思いました。子育て世代の方にも、教室にたくさん参加してもらいたいです!
訪れてみて・・・
会長の坂本さんは大変朗らかで、お話を伺っていると、あっという間に時間が過ぎてしまいました。お話の中で「とにかく教室が長く続いていったらいいんですよ。」と何度かおっしゃっていたことが印象に残っています。
35年以上続いてきたこの教室が、これからも地域の皆さんの居場所として続いていくことを願っています。
by AS