地域日本語教室

vol.6 MIC日本語教室(町田市)

第6弾は、町田市の「MIC日本語教室」です!

MIC日本語教室は、町田国際交流センターが運営する日本語教室です。

230324_地域日本語教室活動レポートvol.6

 

町田国際交流センター

 東京都の最南端に位置し半島状に飛び出している町田市は、周りを神奈川県に囲まれています。(町田市ホームページ中心となる町田駅は小田急線とJR横浜線が交差し乗降員 (すう) も多いため、町田市は近隣市からも自然と人が集まる場所になっています。そのため、町田「市」国際交流センターではなく町田国際交流センターと名付けられ、市民だけでなく町田に集まる人を対象にした国際交流センターになったそうです。

 町田国際交流センター(以下、「交流センター」という。)は、町田市社会福祉協議会、町田市地域活動サポートオフィス等、市の関係団体が集まる町田市民フォーラムの中にあります。小田急線町田駅から徒歩8分、JR横浜線町田駅から徒歩4分という便利な場所にあります。

 

金曜日午前中のクラス

 取材は金曜日午前中のクラスに伺いました。雪が降る日で、続々と学習者から欠席の連絡が入っていましたが、教室が終わる頃には新規の学習者も含めて11人が集まりました!

 全く日本語が分からない (かた) から上級者まで学習者のレベルに合わせて1~2人のグループに分け、グループごとに1人 (ひとり) のボランティアがつき学習します。

②③

 

 各クラスにはコーディネーターがいて、新しく来た学習者のレベルを確認してから担当するボランティアを決めます。担当するボランティアは基本的に変わることはなく、学習者が通い続ける限り同じボランティアと学習を続けます。学習者もボランティアも、自然と笑顔になりながらお話しているのが印象的でした。

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コロナ禍の教室運営

 教室は現在週5日 (いつか) 8クラスあり、ボランティアの集まりである日本語教室部会が運営しています。部会長の藤室さんと交流センター事務局の富田さんにお話しを伺いました。

 

藤室さん
部会長の藤室さん
中村さん、富田さん
事務局の中村さん(左)と富田さん(右)

 MIC日本語教室の学習者は、年間で約400人、一人3クラスまで参加可能なこともあり、延べ学習者数は3,000人を超える年もありましたが、2020年3月から新型コロナウィルス感染症の影響で教室は休みに入りました。2021年9月、教室の休みは続いていましたが、ボランティアの中にパソコン操作に詳しい (かた) がいたため、その (かた) を中心にオンライン教室を始めることになりました。オンライン教室で使用するzoom操作に不慣れなボランティアを対象に操作研修会を開き、始められる状況にまでこぎ着けたそうです。

 2022年5月に対面の教室を再開、ボランティアが120人から80人に減少したことで、一人1クラスまでに参加を制限し、現在は1クラス10人前後の学習者が参加しています。並行してオンライン教室も続けていて、10人弱の学習者が利用しています。町田市は東西に長いため、移動が不要なオンラインだったら参加できる (かた) もいたり、ボランティアと学習者で学習時間を決めているため、都合の () い時間にできたりと、対面にはないメリットがあるため続けています。

 

託児サービス

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 MIC日本語教室では託児サービスを利用できるクラスが週2回あります。(残念ながら、新型コロナウィルス感染症の影響で現在は休止中です。)

 託児料は子ども1人 (ひとり) 100円、予約不要で1歳半から就学前の子どもを (あず) けることができます。ホームページでこのサービスがあることは知っていたのですが、どこで託児するの?誰が保育するの?と不思議に思っていました。

 その答えを伺いました。託児場所については、前述のとおり、教室は町田市民フォーラムの中という恵まれた環境にあるため、同じフロアには託児室があります。そして、保育士の資格がある交流センターのボランティア会員が有償で保育を担当します。託児サービスは毎回2~3人の利用があり、人手が足りない時は、交流センターの事務局の (かた) もお手伝いに入るそうです。託児サービスがあるから参加できた学習者も、きっといたのではないでしょうか。

 町田市民フォーラムの中にあるという利点が生かされた、素晴らしいサービスですね!

 

日本語教室の役割とは

 部会長の藤室さんは、2006年からボランティアを始めて、2018年から部会長を務めています。その間、日本語を教える難しさを感じることもありましたが、自作のテキストを作るなどして学習者が継続して学びたくなるような工夫をしてきました。ボランティアは学習者から学ぶことも多く、ボランティアと学習者の関係は、ボランティアから一方的に日本語の情報を与えるだけでない、相互交換の関係があると感じ続けてこられたそうです。

 教室について、色々ご説明頂いた最後に、日本語教室が果たしている役割を話して下さいました。職場では英語を使用している外国人が教室では気兼ねなく日本語を話す機会になっていること、顔見知りのボランティアと話せるため学習者のストレス解消になっていること、日本語母語話者が日常で使う言葉を学べること、学習者同士の交流の場になること。

 学習者にとっても、ボランティアにとっても、意味のある場所になっていることを確認できた取材でした。

オーバー!

by AS