ニュースレターれすぱす

2022年9月号

L'ESPACE(れすぱす)は、場所・空間・宇宙・間隔と、多岐にわたる意味をそなえたフランス語です。

多文化クロストーク

東京で暮らす外国人のみなさんの座談会です。
日々の生活のこと、文化の違いなど「生の声」をお届けします。

モンゴル、フランス、ベトナム出身者が語る
東京の防災について

多文化クロストーク
左からモンゴル出身の相原ザヤさん、フランス出身のレミー ミヨさん、ベトナム出身のチャン ティ ホアさん

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第1回はコチラから

第2回水害について

東京の防災について、3回シリーズの2回目をお届けします。本所防災館で都市型水害の体験をしてから、話していただきました。

水害はどんなイメージですか

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水害時、水圧がかかっている地下のドアの開放体験をしました。水の高さが10センチでも、ドアを開けるのにかなりの力が必要です。
チャン ティ ホアさん(以下:ホア)

皆さんの国では、水が家まで入ってきたことはありますか? ベトナムは結構あります。台風で腰ぐらいまで水が入ってくると、1週間くらい水が引かないです。

レミー ミヨさん(以下:レミー)

フランスもあります。僕の住んでいたトゥールーズという町は大丈夫でしたが、南フランス、特に南東マルセイユには水害があります。

相原ザヤさん(以下:ザヤ)

モンゴルにはないですね。モンゴルは雨が少ないんですよね。日本の水害は怖いです。私は泳げないので、水が怖いです。

ホアさん

私も水は怖いです。洪水のときは、水の中に荷物やがれきがありますので、泳げないです。泳ぐと荷物にぶつかって、怪我をすることがありますから。

ザヤさん

わたしは水害にあったことがありません。テレビで見たことはあります。

レミーさん

僕も水害の経験はないです。

ホアさん

ベトナムは台風で被害を受ける地域が、毎年あります。日本よりも被害は大きいです。洪水になると動けないです。ベトナムはバイクをよく使っていますが、洪水だとバイクは使えません。どこにも行けないです。普段はバイクで通る普通の道を、洪水のときは船で移動します。
わたしはホーチミン出身ですが、ホーチミンは大丈夫です。雨が多く台風もよく来るのは、ベトナムの中部の辺りです。

レミーさん

水害のイメージはテレビで見ているもの以外、あまりないですね。スーパーまでカヌーで行くとか、消防士が担架で助けてくれるとか。2年前に、フランスで洪水がありました。家で一番高いところへ逃げても水の方が上だったりすると、みんな泣きながら消防を呼んでヘリコプターで助けてもらっていました。とてもかわいそうでした。フランスの中でも、こうした大きな被害はありました。

ザヤさん

モンゴルは雨が少ないので、雨が降るとみんないいことが起こるとか、幸せになるとか思うんです。モンゴル人は雨が好きですね。友達が日本に遊びに来たときに、たくさん雨が降った日があって、大喜びしていました。

天気予報はチェックしますか

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本所防災館には東京都内のハザードマップが置いてあります。自分の住んでいる地域は大丈夫かチェックすることができます。
ホアさん

天気予報は毎日チェックしています。

ザヤさん

今まで天気予報をチェックしなかったけれど、子どもたちのためにもこれからはチェックしたいと思います。

レミーさん

ピクニックのとき以外は、天気予報のチェックはしません。例えば、家を出るときに雨が降っていたら傘はさすんですが、雨が降っていなかったら(雨が降りそうな曇り空でも)大丈夫だろうと思って傘は持ちません。帰ってくる途中で雨が降っていたとしても、濡れながら帰ってきます。

ホアさん

天気予報をチェックして、雨の降る可能性が高かったら、折りたたみ傘を持って行きます。確実に降る予報があれば折りたたみ傘や、普通の傘を持って行きます。日本に住んでいるから、日本人の真似をしています。
午後は確実に雨が降りますと言われたら、お二人は朝、傘を持って行きますか。

レミーさん

持ちません。

ザヤさん

持って行きます。

ハザードマップを知っていますか

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令和元年(2019年)10月に東日本台風(台風19号)による大雨が降りました。荒川の水位は6mを超え、川が溢れるぎりぎりのところまで達したそうです。防災館では、その高さを確認できるようになっています。
レミーさん

ハザードマップ(という言葉)は聞いたことがないですが、先ほど(ハザードマップを)見たら、見たことがあると思いました。

ザヤさん

ハザードマップという言葉は、初めて聞きました。

ホアさん

わたしは(ハザードマップという言葉を)聞いたことがあります。テレビでもよく聞きます。でも、品川区のハザードマップは確認したことがないです。今度引越しをするので、新しいところで確認したいと思います。

レミーさん

家の近くに荒川があります。今ハザードマップで確認したら、赤く色がついているところは危ないんですよね。僕の住んでいるところは、オレンジでした。

ザヤさん

わたしの家の近くには、隅田川があります。ハザードマップで見たらオレンジ色でした。赤ではありませんでした。

避難場所へは行きますか

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防災館での体験は、とてもよかったと3人が声を揃えます。自国と日本とではよく起こる災害の種類も異なるので、こうした経験をしているだけでも違います。

(「2019年に東日本台風が来て、東京にも大雨が降りました。地域によっては、警報や注意報、避難指示などが出ました。」そういう説明を受けて、座談会は続きます)

ザヤさん

警報とか避難指示は、知っています。勉強しました。

レミーさん

「避難してください」と言われたら、避難所へいきます。

ホアさん

私も行きます。

ザヤさん

わたしも行こうと思うんですが、住んでいるところが6階なので、主人はいつも家が一番安全と言います。家が壊れない限りは大丈夫だと思いますが、私は怖いと思います。地震のことや水害のことを、家族で話したいと思っているんですが、なかなか話す機会をつくれなくて。

レミーさん

(災害が起きたときの避難指示など、外からのアナウンスが聞き取れないという話を聞いて)日本人にも聞き取れないんだったら、僕たちにはもっと難しいですね。飛行機内のCAのアナウンスと一緒ですね。

ホアさん

わたしはその台風のときのこと、よく覚えています。友達と一緒にいた方が安心だと思い、みんなで友達の家に集まりました。パーティーみたいですけど。風で結構揺れましたが、台風の被害はありませんでした。

ザヤさん

わたしはベランダの花とかを全部家の中に入れました。カーテンを閉めて、家族でテレビを見ながら外に出ないようにしました。

レミーさん

僕はそのとき海外出張でした。上海から日本に帰国の予定でしたが、帰れなくて2日間くらい延長して泊まりました。

今回は水害をテーマに話してもらいましたが、水害について、出身地によっても受け止め方は違うようですね。次回は「防災の準備」について話してもらいます。

── 次号へ続く

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