地域日本語教室活動レポートvol.3

Vol.3

第3弾は、大田区で活動されている「HOPENECT」をご紹介します!

00_ロゴ.png

大田区で暮らす外国人は23,102(令和4年1月1日時点。東京都調べ)。都内の区市町村で6番目に外国人が多い区です。

そんな大田区でHOPENECTは何を目指してどのような活動をしているのか。代表の丹羽さんにお話を伺いました。

01_代表の丹羽さん2.jpg

 HOPENECT代表の丹羽さん

   

様々な人の希望をつなぐ団体でありたい

外国ルーツの子どもたち向けのソーシャルビジネスをやりたいと考えていた丹羽さん。ビジネススクールに通いながら、国際都市おおた協会で外国ルーツの子どもたちの学習支援ボランティアを行っていましたが、自分の団体で活動したいと考えて202191日にHOPENECTを設立したそうです。教室は20224月から開催しています。

HOPENECTの名前の由来は、「HOPE」と「connect」を足した造語で、様々な人の希望をつなぐ団体でありたいという意味が込められています。

  

また、HOPENECTでは、外国ルーツの子どもたちの宿題や勉強を見たり、交流を図るサポーター、「HOPENECTer」を募集しています。HOPENECTerに求める条件は、子どもに教えたいという情熱を持ち、子どもの特性を理解していること。そして、HOPENECTer自身も楽しむこと、だそうです。

子どもたちに様々な大人と触れ合ってほしいという観点から、幅広い年代の方にHOPENECTerになっていただいており、現在は20代から60代の方まで5名が活躍されています。

    

発話を大事に。話をさせて自然に複文になるようにする。

さて、HOPENECTの活動に話を移しますと、現在HOPENECTは、おおた国際交流センター「Minto Ota」にて、子どもを対象とした「子ども 日本語・勉強教室」と、大人を対象とした「パパ・ママ 日本語教室」を開講しています。今回はその両方を見学させていただきました。この日は、3名の子どもの生徒さんと1名の大人の生徒さんが参加していました。

  

丹羽さんが教室で重視しているのは「発話を大事に。話をさせて自然に複文になるようにする」こと。学校等でも単文(述語が一つだけのシンプルな文)で話すことが受け入れられてしまって、特段修正されないことも多いため、冗談等を交えながら話をする中で自然と複文(述語が二つ以上ある文)で話せるように修正していくことを意識されています。

実際に、「子ども 日本語・勉強教室」では、自己紹介にはじまり、納豆についてオノマトペを使いながら説明してみる。さらには、カードを使ったゲームや、自分で物語を作成してみるなど様々な工夫を凝らしながら発話の練習をしていました。

「パパ・ママ 日本語教室」でも、テキストに沿った発話の練習に加えて、生徒さんが言ったアメリカンジョークを日本語にしてみたり、楽しそうに発話の練習をしていました。

02_納豆について説明してみる。.jpg  

  納豆について説明してみる 

                    

03_私たちも少し参加させてもらいました。.jpg

  私たちも授業に少し参加させてもらいました

    

また、学校生活で作文などを避けて通れないことから、「子ども 日本語・勉強教室」では、書く力も大事にしています。そこで子供たちへの宿題となっているのが「一行日記」。子供たちに短い一文だけの日記を書いてもらうことで、子どもたちの普段の生活を知ることができるとともに、書く力を養うこともできます。

04_宿題の「一行日記」.jpg

  宿題の「一行日記

  

「ラポール」を大切に

今回教室を見学させていただいてとても印象的だったのは、子どもも大人も生徒さんが本当に楽しそうにしていることでした。そのような雰囲気作りのために丹羽さんが大切にしているのは、「ラポール」です。「ラポール」とは、もともとは心理学の用語で、セラピストとクライアントとの間の、互いに信頼し合い、安心して感情の交流を行うことができる関係が成立していることをいうそうです。

そうした信頼関係を築くために、丹羽さんは「人が話をするのは、相手が自分を受け入れてくれるているということを分かった上で話す」という考えのもと、「決して否定しない、心を開くのをまつ、間違えたとしても修正しすぎない」ということを意識されています。

この日も「子ども 日本語・勉強教室」に初めて参加する生徒さんがいて、最初は恥ずかしそうで全然話すことができなったのですが、時間が経つにつれて本当に楽しそうに参加している姿がとても印象的でした。

画像1.png

  カードを使った授業を楽しむ子どもたち

  

だれ一人取り残されないように

HOPENECTは、今年度中に大田区立道塚小学校において、外国ルーツの子どもたちを対象としたイベントを開催したいと企画を行っています。今後は、教育委員会等に働きかけも行い、区内の他の学校でもHOPENECTの教室を増やすことで、大田区の子どもたちが「だれ一人取り残されない」ということを目標としています。

  

最後に、丹羽さんから外国ルーツの方々へメッセージをいただきました。

  

「ここにいていいんです。私が待ってます。」

  

自らも海外での生活を経験されていて、誰かが関心を示してくれるだけで救われた気持ちになったそう。信頼関係を大事にする丹羽さんらしい言葉だと感じました。

  

HOPENECTの活動がどんどんと広がり、子どもたちの笑顔が増えていくことがとても楽しみです。

HOPENECTの活動やHOPENECTerに興味がある方は、是非団体のHPをご覧ください。親子での教室への参加も歓迎しています。

https://www.hopenect.org/

  

地域日本語教室活動レポートは今後も続きます。次回もお楽しみに! 

by.YS