地域日本語教室活動レポートvol.2

Vol.2

第2弾は、豊島区で活動されている「としま・にほんご・フレンズ」をご紹介します!

  

豊島区の外国人住民は年々増加傾向にあり、令和4年5月1日時点で25,440人に上り、豊島区人口の8.91%を占めています。東京都の平均3.7%と比較しても、豊島区には非常に多くの外国人が住んでいることがわかります。様々な文化が交差する豊島区で、「としま・にほんご・フレンズ」はどのような活動をされているのでしょうか。

 

日本語教室の立ち上げまで

 

2020年、杜さん(学習院大学国際センター准教授)は学習院大学が主催した『多文化社会に携わるためのコミュニケーション講座』において講師を務めていました。講座の受講生は豊島区在住の社会人や学習院大学の学生。やさしい日本語や外国人とのコミュニケーション方法について、受講生と一緒に学び合いました。

 

講座が終了し、1年が経過した頃、受講生から杜さんに、

講座で学んだことを活かしたいが、活動の場所や機会がない。」との連絡がありました。

 

受講生の熱い思いを受け、杜さんは実践の場を作ることを決意。

かつての受講生は「仲間」に変わり、杜さんとともに日本語教室の立ち上げに取り掛かりました。

 

様々な試行錯誤を重ね、トライアル期間を経て、2022年5月、ついに日本語教室「としま・にほんご・フレンズ」として活動をスタートさせました。

 

 

教室の様子

 

見学した日の学習者は7名、ボランティアは5名。

授業のテーマは、「私の長所と短所」。

目標は、「1.自分の長所と短所を相手にわかりやすく話す、2.相手の長所と短所について簡単に紹介する」です。

 

オリジナル教材を用いて授業が進められていきます。

目標が明示されているので、今日の授業でどんなことが学べるのか、どんなことができるようになるのか、すぐにわかります。

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まず、アイスブレイクを行い、テーマに関するイメージを膨らませていきます。

「おっちょこちょい」、「優柔不断」、「せっかち」、「おちゃめ」等、性格を表す言葉が学習者から次々と出てきます。

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つぎに、学習者が自分自身のことについて考えます。

ボランティアの方々がやさしい日本語で説明したり、時には学習者の母語を使ったりして、学習者をフォローしています。

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最後は発表です。自分のことについて話すだけでなく、グループになって他の学習者の紹介もします。

 

学習者からはこんな発表が。

「私の短所は恥ずかしがり屋なところです。例えば、初めて会った人と話すのが苦手です。」

「〇〇さんの長所は面白いところです。例えば、いつも面白い話をして、友達を笑わせます。」

 

時には笑いが起こり、とても和やかな雰囲気です。

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日本語教室が走り出して

 

授業後、杜さんにこれまでの4回の授業を振り返っていただきました。

 

「異なった国籍や文化の中で育った人たちが、日本語教室を通じて仲良くなれることにやりがいを感じている。現在は土曜日の教室のみだが、学習者のスタイルに合わせて、たくさんの機会を提供したい」と、教室活動に手応えを感じているようでした。

 

一方で、「学習者が授業を楽しんでくれているが、なんのために通っているのか。このままの教室のスタイルでよいのか、わからなくなる時がある。ただおしゃべりをする場になってはいけない。授業の中で何かしらの学びを見つけてほしい」と、授業を重ねるごとに課題も見えてきたそうです。

 

「学習者が自ら日本語で話すこと、文を作ること、他者に伝えることで、達成感が得られ、日本語能力の向上に繋がる。学習者が自分のレベルを超えたことを話したいと思ったときに必要となるのがボランティアの支援。ボランティアの方々も『どうしたら学習者の言いたいことを引き出せるのか』を考えてくれている」と、課題解決にはボランティアの方々の存在が欠かせないようです。

 

 

取材を終えて

 

「としま・にほんご・フレンズ」は、先生である日本人が学習者である外国人に、一方的に日本語を教える場ではなく、教室名のとおり、先生(ボランティアの方々)と学習者の間に友達のような関係性が築かれており、相互コミュニケーションによって授業が成り立っていることがとても印象的でした。

 

ボランティアの方々が日本語を教えるために様々な工夫や努力をしていることが学習者に伝わっているし、学習者はボランティアとの信頼関係があるからこそ、楽しみながらも真面目に勉強が続けられるのだと思います。

 

たとえ日本語教室という小さな空間であっても、そこには人々の多様性があり、当財団が推進する多文化共生社会づくりの実現に向けたヒントが隠されている気がしました。

 

コロナ禍においてはリアルな繋がりが希薄になりがちですが、こんな状況だからこそ、人と人との絆が大切であり、同じコミュニティの仲間として地域住民同士が繋がり、共に学び合い、支え合って暮らしていくことの大切さを改めて感じました。

 

 

「としま・にほんご・フレンズ」の活動は始まったばかり。これからが楽しみです!

授業の様子はSNSでも発信中!

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さて、次のどの日本語教室へお邪魔するのでしょうか。乞うご期待!

by. RN